今夏にパリ・サンジェルマンは、リオネル・メッシを含め、5人のビッグネームを獲得し、戦力を大幅に強化した。
一部報道では、パリSGは、さらにマンチェスター・ユナイテッドのポール・ポグバや、フランス期待の若手MFでレンヌのエドゥアルド・カマビンガらの獲得を狙っており、8月末の移籍マーケット閉幕までにさらなる新戦力が加わる可能性があるようだ。
コロナ禍の財政状況下で、高額報酬を選手に支払えるという点でパリSGと肩を並べるクラブは皆無に近い。2人のGK(ドンナルンマとケイラー・ナバス)にそれぞれ月100万ユーロ(約1億3000万円)を超えるサラリーを支払えるクラブは他にないだろう。
「新・銀河系軍団」と謳われるほどの戦力を揃え、クラブ悲願のチャンピオンズ・リーグ(CL)制覇を目指す、今もっとも注目を集めるパリSGとは、そもそもどんなクラブなのか。
悲願のCL制覇へ、5人のビッグネームを獲得
1970年に設立されたパリSGは、比較的歴史の浅いクラブだ。最初の黄金期は90年代で、91年にフランスの放送局『CANAL+』がクラブを買収したことで補強に使える資金が大幅にアップ。国内外から優秀なタレントを獲得できるようになった。
ダビド・ジノラ(所属期間:92~95年)やユーリ・ジョルカエフ(95~96年)らのフランス人スター選手に加え、のちにバロンドールを獲得するジョージ・ウェア(92~95年)、類稀な攻撃センスと傑出した得点力でチームを牽引したライー(93~98年)など、数多くの名手が在籍。93-94シーズンのリーグ・アン制覇や95-96シーズンのカップウィナーズ・カップ制覇を含む9つのタイトルを獲得した。
2000年代に入ると、無計画な補強や散財によってチームの成績は下降線をたどる。リヨンに国内リーグ7連覇を許しただけでなく、07-08シーズンには2部降格の危機に瀕した。
ただ、その「暗黒時代」にも、エースとしてクラブを支えたペドロ・パウレタ(03~08年)や、活躍は散発的ながら特大のインパクトを残したロナウジーニョ(01~03年)などのクラブ史に名を残すレジェンドが在籍していた。