新指揮官ベニテスがチームにもたらすであろう3つの変化とは? 【マドリー番記者】

カテゴリ:メガクラブ

パブロ・ポロ

2015年06月12日

新監督の下では10番タイプの選手が中盤に並ぶことはない。

来シーズンはCFとしてのロナウドを見ることができるだろうか。 (C) Getty Images

画像を見る

 ラファエル・ベニテスのレアル・マドリー監督就任が決まった数日後、ジネディーヌ・ジダンはこう語った。
 
「ベニテスの就任で、チームには多くの変化がもたらされるだろう」
 
 バルセロナの三冠達成を、指をくわえて眺めざるを得なかったマドリー。来シーズンでの王座奪還を期するチームにもたらされる、ベニテス流の変化とは何なのか。
 
1)システムの変更
 
 まず、フォーメーションの変更が挙げられる。カルロ・アンチェロッティ時代のベースだった4-3-3から、ベニテスがキャリアを通して採用している4-2-3-1への変更だ。
 
 2013-14シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝バイエルン戦のような例外こそあったものの、アンチェロッティはポゼッションを重視する姿勢を貫いた。対してベニテスは、それほどポゼッションにはこだわらず、攻守の切り替えの速さ、トランジッションを重視する。
 
 アンチェロッティは中盤に、トニ・クロース、ハメス・ロドリゲス、イスコ、ルカ・モドリッチという本来は10番タイプの選手を並べることがあったが、ベニテスの下でそれは考えにくい。少なくともひとりは、確実に守ることのできる選手を置くはずだ。
 
 その意味では、レンタル先のポルトから復帰する予定のカゼミーロは大きな役割を担うだろう。これにより、今シーズンはディフェンスラインの前でアンカーとして最低限の活躍は見せたものの、攻撃的能力は制限されていたクロースも来シーズンは、崩しの局面でより輝くことになるだろう。
 
2)ローテーション
 
 ローテーション制度の登用も間違いない。アンチェロッティは基本的に核となる11人を変えなかった。彼のなかでベストの布陣は決まっていたのである。
 
 イケル・カシージャス、ダニエル・カルバハル、ペペ、セルヒオ・ラモス、マルセロ、クロース、モドリッチ、ハメス、ガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、そしてクリスチアーノ・ロナウドである。
 
 負傷による緊急事態では、ラファエル・ヴァランヌやイスコが出場したが、全員が万全のコンディションであれば、アンチェロッティは迷わずこの11人をピッチに送り出した。
 
 しかし、ベニテスは違う。来シーズンは、リーガ・エスパニョーラ、CL、国王杯という3つのコンペティションに絞られるマドリーだが、もしCLや国王杯で上位進出した場合、50~55試合程度はこなさなければならない。そのなかでは、重要な選手でも休息すべき時はある、と考えるのがベニテスだ。
 
 例えば、ロナウドやベイルのどちらかをベンチに置き、ヘセ・ロドリゲスやイスコ、あるいは新加入する選手を組み入れる試合も出てくるだろう。
 
 ロナウドとベンゼマはここ数年、シーズン終盤に調子を落とす傾向にある。ベニテスは科学的な理論とローテーションという独自の信念で、年間を通して選手の出場時間を制限する見込みだ。
 
3)ロナウドの「9番」起用
 
 最後に、ひとつの可能性として考えられるのが、ロナウドの「9番」としての起用だ。
 
 昨シーズンのロナウドは、全得点の3割以上をペナルティーエリア内からのシュートで決めている。つまり、よりCF的な得点が増えているのである。以前のような、長い距離をドリブルしてシュート、あるいはミドルという形は減りつつある。
 
 これも自然な変化だろう。彼は2月で30歳になった。サイドでドリブルを中心に動き続けるスタイルには、もしかしたら終わりが近づいているのかもしれない。
 
 ロナウドを4-2-3-1の頂点に置き、2列目にハメス、モドリッチ、ベイル、その下にカゼミーロとクロース――。
 
 かつて、マドリーのエースだったブラジル人の“フェノメノ”ロナウドも、ドリブルとスピードで他を圧倒した若き頃のスタイルに変化を加え、晩年はエリア内での仕事に特化し、新たな才能を開花させた。クリスチアーノも、同じ道を歩むのか。
 
“9番”ロナウドは、ベニテスの新生マドリーの象徴になる可能性を秘めている。
 
【記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
【翻訳】
豊福晋

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト サッカーダイジェスト12月12日号
    11月28日発売
    2019冬の移籍マーケット
    番記者が推奨する
    J1&J2全40クラブ
    「補強3か条」
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ワールドサッカーダイジェスト
    12月5日発売
    ビッグネーム移籍
    「噂の真相」
    EURO2020最速ガイドに
    特製カレンダーも!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVol.29
    12月11日発売
    「2019選手権名鑑」
    男子出場48校・1437選手の
    顔写真&プロフィールを網羅
    企画満載で女子出場32校も!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ