ベルナベウの大ブーイングを浴びるカシージャスがすべきこと【マドリー番記者】

カテゴリ:メガクラブ

パブロ・ポロ

2015年05月13日

「聖イケル」の名を汚さないためにも移籍すべき。

マドリディスタからの愛情と信頼を失ってしまったカシージャス。新天地を求めるべきだと、ポロ記者は語る。 (C) REUTERS/AFLO

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 サンチャゴ・ベルナベウでのバレンシア戦(36節)で、私は信じられない経験をすることになった。これまでに何度、このスタジアムに足を運んだか分からない。何百回、あるいは何千回か。だがそれは、紛れもなく初めての体験だった。
 
 守護神イケル・カシージャスがボールに触る度に、マドリーのサポーターから痛烈なブーイングが浴びせられたのである。
 
 カシージャスに対するブーイング自体は珍しいことではない。これまでにも一部のサポーターはそうしていた。しかし今回は“一部”ではなかった。スタジアムがそれこそ一体となって、我がチームのキャプテンを攻撃しつづけたのである。
 
 もはや明白だ。マドリディスタはついにカシージャスを見限ったのである。両者の関係は行きつくところまで行ってしまったのだ。
 
 今後、カシージャスがスーパープレーを連発したとしても、彼らの心は戻ってこないだろう。それが分かっているのだろう、温厚なカシージャスにしては珍しく、大ブーイングに対して大袈裟なジェスチャーで不満と反抗を見せている。
 
 マドリディスタはこれまでにも、ジネディーヌ・ジダンやロナウド、グティといた名手たちにブーイングを浴びせてきた。カシージャスはジョゼ・モウリーニョ元監督に反旗を翻した数シーズン前から、ファンの反感を買うようになった。
 
 それからピッチでのパフォーマンスが低下の一途を辿り、もはやチームを救ってくれる存在ではなくなると、カシージャスに対する彼らの不満は、どんどん膨らんでいった。
 
 カシージャスとマドリーの現行契約は、あと2年残っている。バレンシア戦後に彼が繰り返したのは、「2017年まで」という言葉だった。つまり残留を希望している。
 
 一方で、周囲の人間は移籍を勧めている。昨オフも水面下で進行し、最終的には白紙に戻されたカシージャスのマドリー退団が、この夏、ついに実現するのだろうか。
 
 アーセナルが移籍先の有力候補に取り沙汰されているが、焦点はカシージャスとマドリーの双方が妥協点を見出せるかだ。
 
 マドリーは、それでもクラブの象徴であるカシージャスを無下には追い出せず、現行契約を解除して、本人がみずからの意思で出て行ったという形を取ろうとしている。
 
 これに対してカシージャスの第一希望は、前述のように残留だ。しかも残り2年の契約を全うすれば、1260万ユーロ(約17億6400万円。15-16シーズンは660万ユーロ、16-17シーズンは600万ユーロ)が保証される。簡単に契約解除に応じようとしないのは、そのためだ。
 
 カシージャスは1260万ユーロの半分を捨ててでも移籍すべきだと、私は思う。このままマドリーに残っても、ブーイングを浴びながらベンチに座り、ダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、あるいは別の誰かのプレーを眺めることになるだけだからだ。
 
 私はそんなカシージャスの姿は見たくない。数々のスーパープレーでクラブを救ってきた「聖イケル」の栄光を汚さないために、カシージャス本人もマドリーも積極的に歩み寄って妥協点を見つけるべきだ。
 
【記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
【翻訳】
豊福晋
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