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【中断明けの青写真|磐田】新3バックの構築がカギ。昇格とともに来季J1で戦える集団にすることも重視

カテゴリ:Jリーグ

高橋のぶこ

2021年08月07日

前線からの守備が機能。連勝を支えた大きな要因に

序盤はやや低迷も、5月以降に復調。中断期間直前に首位陥落も現在は2位。再開後の熾烈な昇格争いを逞しく戦い抜けるか。写真:田中研治

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 東京五輪開催でJリーグは一時中断。その間、各チームは戦力補強やミニキャンプ実施など、再開後に向けて準備を進めている。五輪後はいかなる戦いを見せてくれるか。ここでは、J2のジュビロ磐田を取り上げる。

――◆――◆――

 シーズン序盤は複数失点に苦しみ思うように勝点が伸びなかったが、募った危機感をバネに11節から12戦負けなし(9勝3分)。14節から20節まで完封勝利を続け、21節は昇格を争うアルビレックス新潟に3-2で勝利し、連勝を8に伸ばして首位に。

 続くレノファ山口FC戦はドロー、23節のモンテディオ山形戦は1-2と2か月半ぶりの敗戦となったが、2位で中断期に入った。

 圧巻の巻き返しを見せた前半戦だが、無失点で勝利を重ねている間も、「相手に決定機を作られているし、出来過ぎかな、というのが正直なところ。これからも勝ちながらいかに修正、成長するかが大事」と山田大記が語ったように、選手たちは満足できる試合内容とは捉えていない。それでも、連勝に繫がる進化はあった。

 昨秋から指揮を執る鈴木政一監督は、オン・ザ・ボールとオフ・ザ・ボールの関係性や、ボールサイドで数的同数を作ることなど、「一人ひとりが常に複数の選択肢を持ち、判断をしながらプレーをし、意図を共有する」ことで、グループ、チームとしての連係力を高めていくことを強化のコンセプトに据え、修正、改善しながらチーム作りを推進。そのなかで、選手たちが活発に話し合い、試合を重ねるごとにお互いの特長を理解し、プレー意図の共有を図ることで、攻守全体の歯車が徐々に噛み合い、ゆっくりと回り始めた印象だ。

 特に、前線からの守備が機能してきたことは、連勝を支えた大きな要因であり、再開後もポジティブな戦いを期待させる要因のひとつだろう。1トップを張るルキアンの献身的なプレッシングと、そのファーストディフェンスに呼応、あるいは後方から指示を飛ばしてルキアンを動かすことで、高い位置でボールを奪うことが増えている。

 奪えずとも「相手のパスコースが規制されているので予測がつく」(大井健太郎)ことで守備が安定。ラインが上がり、コンパクトな陣形を保てるようになる好循環ももたらしている。 
 
 また、「序盤は後ろと前の連動性がなくギャップを使われていたけど、しっかりコミュニケーションをとって、(前からプレスに)行くところと行かないところを使い分けられるようになった」と松本昌也。攻撃面でも連係が高まり、以前のようにトップが孤立するシーンは消え、ゴール前に厚みができてきたが、こうした良い距離感での守備が良い攻撃に繫がっていることも巻き返しの要因となった。

 だが、再開後に懸念材料はある。新しい3バックの構築がそのひとつ。完封で連勝をしていた間は、左に伊藤洋輝、右に大卒ルーキーの森岡陸、中央にベテランの大井という組み合わせだった。ビルドアップ能力も高い伊藤と、身体の柔軟性を生かした対人やヘディングの強さを見せた森岡は、ともに判断が速くアプローチも迷いがなかった。

 カバーリングに長けた大井との3人がユニットとして機能していたことは堅固な歯車のひとつとなっていた。だが、伊藤は新潟戦を最後にドイツ・ブンデスリーガのシュツットガルトに期限付き移籍。同じタイミングで森岡が負傷のために戦列を離れて迎えた山口戦で連勝は途絶え、続く山形戦は難敵に敗戦となった。

 中断期間中、フロントは横浜F・マリノスからDF伊藤槙人を期限付きで、DF高野遼を完全移籍で獲得したが、伊藤の穴をどう埋めるか。新しい3バックの息が合い、フィットすることが後半戦の鍵のひとつとなりそうだ。
 
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