元サッカー少年がケイリンへ挑戦 日本競輪選手養成所 第121回生 中山拓人 インタビュー

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高校・ユース・その他

2021年08月02日

「期待を裏切り、迷惑ばかりかけてきた。 だからこそ、競輪で結果を出したい」

JKA250(屋内型木製250mバンク)にて。写真:徳原隆元

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名門、矢板中央高校サッカー部を経て、いったんはラグビーの道を志すも、サッカー選手という夢を切れず、欧州へ。全力で、でも苦悩の2年間を過ごし、プロアスリート-競輪選手-への道にたどり着いた失敗を悔い、挫折を力に。21歳の決意。
 

――サッカー歴を教えてください。

「小学1年からです。中学は地元のクラブチームでプレーしていました」

――名門、矢板中央へ推薦入部ということはエリートだったのですね。

「いえ、全然うまくなかったです。ただ、足の速さ、フィジカルには自信がありました。スピードに頼ってタテに突破するのが得意なサイドバック、サイドハーフでした」

――名門校ということで、選手権、その先のプロの道も見ていましたか?

「2年生の初めからAチームでプレーしていましたし、プロを目指していました。ただ、その夏にケガをしてしまって。うまくいかなくなりました」

――大きなケガだったのですか?

「いえ、恥ずかしい話ですが、サッカーとは関係ないところで、あばらを折ってしまって……。タイミングも悪くて、インターハイの登録メンバーにも入っていたのに、それが原因で外れてしまったんです。自分の気持ちの弱いところもあったのですが、しばらくコンディションが戻らず、サッカーから気持ちが離れてしまいました」

――身体能力の高さを見込まれ、大学のラグビー部から誘われていると当時のスポーツ新聞に載っていましたが、そのことを聞いても大丈夫ですか?

「はい。3年の夏に、練習会に参加させてもらって、評価もしてもらえて、一度はラグビーをやろうと決めたのですが、やはり納得がいかなくて……。サッカーをもう1回本気でやりたいと、 入学前に辞めてしまったんです。大学側、高校側、そのために動いていただいた方々に迷惑をかけてしまいました。本当に反省しています」

――そういう事情もあって、日本ではなく、欧州でサッカー選手として再スタートを切ることになったのですね。

「在学中に受けていたセレクションで、海外挑戦が全額免除になる権利をもらっていたので、それを活用し、チャレンジさせてもらいました。最初はスペイン6部で半年プレーして、残りの半年は4部へ。次のシーズンはオーストリアの3部でプレーしました」

――海外で2年、2020年の春にサッカーのキャリアが終わっています。諦め切れたのでしょうか?

「オーストリアでの前半シーズンを終えて一時帰国した際、日本での移籍先も探してみましたが、話が進まず、あと1年、ドイツの4部でプレーすることも考えていたんですが、日本でも、海外でも、食べていくレベルになるには、さらに時間がかかるだろうと。もう20歳でしたし、諦めるというよりは、続けることに不安や疑問を感じるようになりました。サッカー選手はとくに寿命が短いですからね」

――そこから競輪へつながるきっかけを教えてください。

「サッカーをやめて半年ぐらい、いわゆるフリーターと言うか、何の刺激もない生活をしていました。そんな時、テレビで競輪のG1レース高円宮杯を見て、アスリートとしての競輪選手を意識するようになりました。
これまでにたくさんの人を裏切り続けてきたので、あれしたい、これしたい、と言える立場ではなかったのですが、プロスポーツの世界に憧れはありましたし、あとから後悔するぐらいならチャレンジしようと思いました」

――周囲に詳しい人がいたなど、競輪に接点はあったのですか?

「いえ、ですから自分で調べました。まずJKA(公営競技の競輪とオートレースを統括する公益法人)に電話して、そしたら地元埼玉の愛好会の番号を教えてもらって、山信田(学。埼玉・83期)さんという、いまの師匠とつながりました」

―未知の競技だと思うのですが、迷いはなかったのですか?

「練習会にうかがう前からすでに気持ちはあったのですが、師匠とメンバーと一緒に練習をして、意思は固まりました。家に帰ってすぐに、お願いしますと、電話をしていましたね」

――それが去年の夏くらい。生活も一変したのでは?

「毎日、家からピストレーサー(競技用の自転車)に乗って、大宮競輪場まで24 ㌔ぐらいの道のりを通い、最初はただひたすら自転車に乗っていました。本当にこれまでのどのスポーツよりきつかったですね。気持ちも、身体も抜くところがありませんでした。適性試験で受験することを決めてからは、それに向けてマシンの乗り込みや筋トレの日々でした」

――サッカーで鍛えられていたと思うのですが、使う筋肉には違いますか?

「まったく違いますね。競輪を始めて半年ぐらい経った時、友だちとフットサルをしたのですが、すぐに前太腿に乳酸が溜まり、つっぱっちゃう感じで、うまく走れなくなってしまったんです。これはもう地上用の足じゃないなと(笑)驚きました」

――では、体力面ではどうですか?

「サッカーでも瞬発系だったので、長距離はあまり得意じゃなかったです。競輪でもスタミナも必要なので、まだまだ鍛えないといけないですね」

――団体競技と個人競技という違いもありますよね。

「実際のレースを経験していないので、すべてをわかっているわけではないですが、何事も自分のためであり、自分のせいでもあるところが、競輪の難しいところでもあり、魅力だと思っています。それから選手寿命が長いこともサッカーとの違いですね」
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