国際的にも希少な剛柔自在のストライカー林大地。1トップのスタメン有力候補に名乗り

カテゴリ:連載・コラム

河治良幸

2021年07月13日

改めて本番でも貴重な戦力になりうることを証明

3-1で完勝したホンジュラス戦で堂安のゴールをアシストした林だが、「ゴールを一番取りたかった」と率直な気持ちも吐露。写真:JMPA代表撮影

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 東京五輪に向けた日本とホンジュラスの強化試合は、3-1で日本が勝利。序盤から高い位置でのボール奪取から縦への素早い攻撃を繰り出す日本は、右のFKから久保建英が送ったボールを吉田麻也が流し込み、さらに冨安健洋のクロスを三好康児がスルーし、ボックス内で林大地が落としたボールを堂安律が右足で決めて2点をリードした。

 前半はシュート数10対0という圧倒的な優勢だった。だが、63分にメンバー2人が交代した直後の時間帯にホンジュラスの10番リゴベルト・リバスの突破を許して、GK谷晃生と1対1に。最後はシュートのこぼれを冨安がオウンゴールしてしまう。

 その後、難しい時間帯が続いたが、さらにフレッシュなメンバーを投入した日本は85分に左の相馬勇紀を起点として前田大然、遠藤航と中央でつないで、左スペースで受けた相馬のショートクロスに堂安がスライディングで合わせて待望の3点目を獲得した。

 ホンジュラスが来日して3日目ということもあり、コンディション面では明らかに日本が上だった。そのことを差し引いても、良い流れのなかで前半に3点目を取りきれなかったこと、少し疲労も見え出した時間帯に相手がパワーをかけてきたところで耐えられなかったことなど、本番に向けては前向きな課題を見出せた試合だった。

 そうしたなかで存在感を示したのが1トップで先発した林。当初4人のバックアップの一人として選ばれていたが、登録メンバーが22人に拡大したことで、晴れて正規メンバーに。エース候補として期待される上田綺世が怪我明けという事情もあるが、改めて本番でも貴重な戦力になりうることを証明する試合となった。

 ただ同時に、63分に交代するまでゴール前で多くのチャンスがありながら仕留めきれなかったことは「ゴールを一番取りたかった」という率直な言葉にも表われている。

 決して大型FWではない林だが、ライバルの上田も認めるように、柔軟な身のこなしでボールを収めて2列目が上がる時間とスペースを作ったり、アシストの場面のようにワンタッチで落としてフィニッシュに導くなど、幅広いポストプレーを得意とする選手だ。

「自分は大きい選手じゃないので、自分よりデカい相手に対しての身体の付け方、重心の使い方は大学時代からしっかり練習している。そこは自信を持ってやることができました」
 
 林もそう振り返るように、基本的に後方からあまりロングボールが来ない流れのなかで、可能な限りセンターバックの間にポジションを取りながら、シンプルに関わって2列目の堂安、久保、三好という3人の流動的なチャンスメイクを引き出した。

 12分には三好のシュートが左ポストを直撃したシーンでも、堂安と競り合った相手のクリアが小さくなったところを拾って右の久保に出し、折り返しから三好のフィニッシュを引き出した。先制点はその直後に得たFKから決まっており、良い流れを日本に呼び込むシーンだった。

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