期待の英代表MFが屈辱の途中出場・途中交代。“非情采配”に「失敗すれば叩かれる決定」

カテゴリ:国際大会

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2021年07月08日

「グリーリッシュに同情する」との声も

グリーリッシュ(右)にとっては非情とも言えるサウスゲイト監督(左)の采配が話題となっている。(C)Getty Images

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 母国でのタイトル獲得まであと1つと迫り、イングランド代表は沸いている。ただ、ジャック・グリーリッシュは複雑な心境かもしれない。

 7月7日のEURO2020準決勝で、イングランドは延長戦の末に2-1でデンマーク代表を下し、ファイナルに駒を進めた。スリーライオンズ(イングランド代表の愛称)が主要大会で決勝に進んだのは、優勝した1966年ワールドカップ(W杯)以来のことだ。このときも、舞台はイングランドだった。

 当然、チームも国も喜びを爆発させている。ただ、今大会でのブレイクが期待されたMFグリーリッシュはタイスコアだった67分から途中出場したにもかかわらず、延長戦で追加点が決まると、キーラン・トリッピアーとの交代を命じられた。リードを守り切ろうとする中で、ベンチに呼び戻されたのだ。

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 大舞台での途中出場・途中交代に満足する選手はいないだろう。ただ、ガレス・サウスゲイト監督はチーム優先を貫いた。英紙『Daily Mail』によると、元イングランド代表のガリー・ネビルは、非情とも思われる指揮官の采配を称賛している。

 ネビルは「サウスゲイトは失敗すれば叩かれる決定を下してきた。大会を通じて自分の道を貫いてきた。大会を通じて自分の道を貫いてきた」と話した。

「あのドレッシングルームにはエゴがない。彼はチームのために必要な決断をする。今夜のジャックは苦しんだ。途中出場で途中交代という意味では、ばつが悪かっただろう。だが、それがチームにとって正しいことだったと彼は理解するはずだ」

 元アイルランド代表のロイ・キーンも「彼(サウスゲイト)はナイスガイだが、このレベルで仕事するにはキツくもなければいけない。だから、ガレスのあの決断は驚きではない」と続いた。

「ジャックはもっと大きな絵を見なければいけない。大切なのはチームであり、決勝に行くことだ。ガレスがああいう決断を下せる監督なのは疑いなく、今夜もそれを証明した」

 元イングランド代表のイアン・ライトは、「嘘はつけない。グリーリッシュに同情する」と、選手を慮ったうえで、やはりチーム優先と話している。

「出場するたびに、彼にはうまくいっていない。ああやって交代させられるのは、ナイスなことじゃない。だが、大事なのはチームであり、その一員であることだ」

 それは、グリーリッシュもよく分かっているだろう。イタリアとの決勝で、その悔しさをぶつける機会は訪れるだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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