9連覇中だったユベントスの牙城がついに崩れ、インテルが11年ぶりのスクデットを獲得したセリエAの2020-21シーズン。ベスト11に選んだ顔ぶれも、近年と比べてユベントス勢が激減、インテル、アタランタ、そして終盤戦まで健闘したミランが中心になった。
GKは文句なしでジャンルイジ・ドンナルンマ(ミラン)。セービングの安定感、ここ一番のビッグセーブはもちろん、ビルドアップにおいても年々進化を見せており、現在のセリエAで唯一ワールドクラスと呼べるGKだ。
最終ラインは、インテル、アタランタなど3バックを採用したチームも少なくなかったが、ここでは中盤との兼ね合いで4バックとした。
CBはアルゼンチン人DFらしいアグレッシブなマンマークと爆発的なスピードでアタランタの「最後の砦」として機能したクリスティアン・ロメロと、インテルの堅固な3バックを代表して、対人守備だけでなくビルドアップへの貢献でも進境著しい左利きの若手アレッサンドロ・バストーニ。
ヨーロッパでもトップ10に入るレベルに成長してMFは?
SBには、ドリブルでの持ち上がりとオフ・ザ・ボールでの走り込みの両方で破壊力を発揮し、インテルの右サイドに違いを作り出したアシュラフ・ハキミ、そして左サイドで90分間上下動を続けて攻守両局面に貢献しつつ、フィニッシュでも二桁ゴールを叩き出したロビン・ゴゼンス(アタランタ)を選んだ。いずれも3バックのWBとしてプレーしたが、4バックのSBでも同じように機能できるクオリティの持ち主だ。
MFには、圧倒的なダイナミズムと高いテクニック、そして闘争心とリーダーシップでインテルの中盤を支え、今やセリエAはもちろんヨーロッパでもトップ10に入るレベルに成長を果たしたニコロ・バレッラ(アタランタ)、的確な読みと戦術眼でアタランタの攻撃サッカーに攻守のバランスをもたらした影の功労者マルテン・デローン、そして攻守両局面でミランの中盤に量と質の双方を保証し、リーダーとしても圧倒的な存在感を見せたフランク・ケシエの3人を選んだ。