痛恨のリーグ3連敗。FC東京はいったいどうしてしまったのか

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2021年04月24日

ひと言で“強さ”が感じられない

鳥栖戦では1-2というスコア以上にチーム力の差を見せつけられた印象っだった。写真:サッカーダイジェスト

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 リーグ戦では川崎、福岡に続き、鳥栖にも黒星。痛恨の3連敗を喫し、4月24日現在でJ1の9位に甘んじるFC東京はいったいどうしてしまったのか。

 昨季のルヴァンカップ制覇を受け、今季こそは念願のリーグ優勝と期待が高まっていた流れでの体たらくである。強みのはずの守備が今季はウィークポイントになり、実際、18失点はリーグワースト3位である。

 だが、失点さえ減らせば勝てるのかと言えば、決してそういうチーム状態ではない。1-2で敗れた鳥栖戦の戦いぶりも含め、今季のFC東京はそもそも攻守の切り替えの部分で大きな問題を抱えているように映る。ポジティブトランジション(守から攻への移行)、ネガティブトランジション(攻から守への移行)の両方で圧倒的にスピードが不足している印象なのだ。守備にも攻撃にも改善点が必要というのが現状だろう。

 攻撃はディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトンの両助っ人の個人技に依存気味で、このふたりが抑え込まれた鳥栖戦は、CKから1点を返すのが精いっぱい。チームとして連動性に欠け、ひと言で言うと“強さ”が感じられないのである。
 
 振り返れば2019年シーズン前半のFC東京は文字通り強かった。久保建英が覚醒し、最終ラインにはチャン・ヒョンスもいた。堅守速攻のスタイルがチームにくまなく浸透していたうえに勝負強さも光り、その年の3月19日に行なわれた鳥栖戦でも試合終盤の2ゴールで勝利している。当時のチームは一枚岩で、記者席から見ていても強さがビンビンと伝わってきた。

 しかし、そこから久保とチャン・ヒョンスが新天地を求め、昨季途中には橋本拳人と室屋成も海外移籍した。ひとつのピークを過ぎてしまった状態が今であり、そういうチームにリーグ優勝を望むのは酷だったのか。

 いずれにしても、何かひとつ修正すれば劇的に調子が上向くような状況にない。選手個々の能力で上回っていたはずなのに、それでも“チーム力”で鳥栖に敗れたホームゲームを見ても、それは理解できるだろう。

 さて、CBのブルーノ・ウヴィニ(元ブラジル代表DF)も合流した状況下で、長谷川健太監督はここからチームをどう立て直すか。リーグカップ制覇後のシーズンに降格という二の舞だけは避けたい。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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