得点を挙げられず、不満を露にし、試合後にはユニホームの扱いも騒がれた。ユベントスのクリスチアーノ・ロナウドを巡り、周囲の喧騒が続いている。

　C・ロナウドは４月11日のセリエA第30節ジェノア戦で、得点チャンスにシュートをポストに当てるなどし、ネットを揺らすことができなかった。別のチャンスでは、自身にパスを出さなかった味方に対するフラストレーションも隠していない。

　試合後には、ユニホームを投げ捨てた疑惑も取りざたされた。現地メディアによると、ボールボーイの求めに応じてプレゼントしたとされるが、手渡さずにシャツを地面に放り投げたことの是非は議論を呼んでいる。

　２位ロメル・ルカクに４ゴール差で得点ランク首位に立つC・ロナウドだが、特にチャンピオンズ・リーグ（CL）敗退以降、その去就を巡る騒ぎは後を絶たない。
　
【画像】同僚に激怒？ 試合後にユニホームを投げ捨てるC・ロナウド

　アンドレア・ピルロ監督が就任した今季のユベントスは、コッパ・イタリアこそ決勝に勝ち進んだが、CLでポルトに敗れてベスト16敗退。セリエAでは残り８試合で首位インテルに12ポイント差をつけられ、10連覇が非常に厳しくなった。

　レアル・マドリーで前人未到の３年連続欧州制覇を成し遂げ、バロンドール受賞５回を誇る“勝者”のC・ロナウドにとって、ユベントスの現状は満足できるものではないとの見方は少なくない。

　一方で、ユベントスも2022年までの契約を結ぶC・ロナウドの処遇を決める必要がある。移籍金を望むなら、今夏に放出するしかない。契約満了を待つとなれば、巨額の報酬負担が続く。コロナ禍の経済的打撃を考えれば、売却に踏み切ると予想する声があるのは当然だ。

　カルチョファンの中には、両者が“離婚”を選ぶべきと考える人も多い。

『Gazzetta dello Sport』紙電子版は、「ユーベとロナウドは今季で別れたほうがよい？」とアンケート。3700人を超えるユーザーのうち、75％強が「イエス」と回答している。

　ただ、コロナ禍で市場が冷え切っている中、高額サラリーの負担が痛手なのは、ほかのビッグクラブにとっても同じだ。ユーベとC・ロナウドが別々の道を選ぶにしても、双方が納得する解決策が見つかるかも分からない。

　先行き不透明な状況で、イタリアの名門とC・ロナウドは、どのような決断を下すだろうか。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

【動画】C・ロナウドのシュートがポストに当たって“珍アシスト”になったシーン