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恩師も「底が知れない」と語る潜在能力。U-24日本代表に選出された17歳・中野伸哉が急成長を遂げたワケ

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2021年03月25日

「ワールドカップがなくなってショックもあったけど…」

U-24日本代表に選出された鳥栖U-18所属の中野。メンタル面の強さが飛躍につながった。写真:松尾祐希

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 17歳7か月でのU-24日本代表入り――。

 
 昨季からサガン鳥栖のトップチームでプレーする中野伸哉は、東京五輪を目指すチームに招集される可能性は限りなく小さかった。しかし、高校2年生だった昨年8月1日のJ1リーグ8節・FC東京戦でプロデビューを飾ると、同年11月14日の27節・札幌戦から先発に定着し、そこから最終節までの8試合中7試合にスタメン出場。今季も開幕から6試合連続でスタートからピッチに立ち、守備時は3バックの一角、攻撃時は高い位置を取って攻守で存在感を示している。

 そのパフォーマンスが評価され、3月22日から活動が始まったU-24日本代表に名を連ねた。世代別代表の常連で2019年にはU-17ワールドカップに出場し、昨年度はU-19日本代表に常時招集されていたとはいえ、7学年上となる代表チームへの参戦は多くの人に驚きを与えたのは間違いない。

 では、何故この1年で急成長を遂げたのか。左利きながら右足でもボールを扱える点や的確な状況判断ができるなど、17歳とは思えない能力を持っているが、飛躍の要因はメンタリティにある。

 印象的だったのが、昨年12月下旬に行なわれたU-18クラブユース選手権の準決勝だ。当時、中野はトップチームでプレーをしながら、年末の全国大会はU-18チームでプレーする準備を進めていた。ただ、同時期にU-19日本代表に招集。日程が重なったため、大会初日からのプレーは見送りとなった。多忙なスケジュールをこなす中で12月24日に悲報が届く。FIFAが2021年5月に開催予定だったU-20ワールドカップの中止を発表したのだ。目前に迫っていた大会開催の見送り。飛び級で参加していた中野は自分の代で挑む権利を持っているとはいえ、普通に考えれば、平常心を保つ作業は簡単ではない。しかし、中野は気持ちを切り替え、26日に代表を離脱してU-18チームに合流。そして、鹿島アントラーズユースとの準決勝からピッチに立ったのだ。

 強行スケジュールにもかかわらず、ひとりだけ別格のプレーを見せ、左SBでチームの勝利に貢献。試合後には「ワールドカップがなくなってショックもあったけど、自分の代もあるのでそこで結果を出せればいいなと思っている。やるべきことはチームに貢献することなので、しっかりやれたので良かったです」と話し、翌日の決勝でも良質なプレーを見せてFC東京に勝利。何事にも動じない強靭な精神力は当時からずば抜けていた。

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