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シーズン半ばで発表されたマルコ・ローゼ監督の電撃移籍。揺れるボルシアMGに残された道は…【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2021年03月10日

シーズン最中、来季はライバル・ドルトムントの監督になると発表

レッドブル・ザルツブルクからボルシアMGへ、そしてドルトムントへと着実にステップアップしているマルコ・ローゼ監督。 (C)Getty Images

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 ボルシアMGとドルトムントによるドイツカップ準々決勝を前に、ドイツメディアでは両監督の対決にフォーカスされた見出しが多く踊っていた。来シーズンからドルトムント監督となるローゼと、今の暫定監督から同チームのアシスタントコーチとなるテルジッチという対立図式に興味を持つサッカーファンも多かったことだろう。

 ローゼは試合前に何度も「これはボルシアMGとドルトムントの試合だ」という点を強調していたが、どうにもタイミングが良くない。

 現在進行形で監督を務める人物は、所属クラブがある以上、戦績不振で解任・辞任という流れがない限り、基本的にそのまま来シーズンも続投となることが少なくない。もちろん契約満了でシーズン終了と同時に別の道を歩むという選択もできるが、そのためにシーズン中に監督の来季去就が決まる場合があっても、その時点で監督職にはついていない人物が迎え入れられるケースが多い。

 今シーズンのボルシアMGは、チャンピオンズ・リーグ(CL)で決勝トーナメント進出を決め、リーグでも上位進出への可能性を残していた。そんな状況で2月15日、リュシアン・ファーブル監督が解任され、いろいろな問題を抱えていたライバルクラブへ来シーズンからローゼ監督が就任するという電撃移籍が発表された。これに納得のいかないボルシアMGファンの気持ちも分からなくはない。
 
 お送り出す側のマックス・エッベルSDが主張するように、契約上は何の問題もない。ローゼには違約金とともに移籍することができる条項が契約書に含まれており、それを正当に行使した。そして、この条項がなければ、レッドブル・ザルツブルク時代に素晴らしいサッカーで注目を集め、ほかのクラブからも狙われていたローゼを、ボルシアMGの監督として迎えることはできなかったという過去も、事実なのだ。

 ローゼがドルトムントでの新しいチャレンジを、自分が望む素晴らしいステップアップと受け止め、移籍を決断するのは彼の権利だ。ドルトムントの再建を託され、バイエルンと覇権を争うためのチーム作りは、どれだけ刺激的な仕事だろう。いちサッカーファンとして期待しかない。

 ただ、ファンがそうした「サッカー界とはそういうものだから」というビジネスライクな考え方を受け入れなければならないのも、少し極端ではないだろうかと思うのだ。その数週間前に、ローゼ自身が「ボルシアMGで大きなことを成し遂げたい気持ちを持っている」と発言していただけに、その思いもなおさら。不義理で理不尽だとののしりたくもなるだろう。
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