2年連続ベスト4敗退も…帝京長岡、OB監督が振り払った“昨年の面影”【選手権】

カテゴリ:高校・ユース・その他

森田将義

2021年01月10日

主力が多く去った今年度は1からのチーム作りを余儀なくされた

1年生MF廣井蘭人(25番)をはじめ1、2年生も躍動。谷口総監督が称賛した古沢監督(右)のチーム作り。写真:徳原隆元

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[高校選手権 準決勝]山梨学院2(3PK1)2帝京長岡/1月9日/埼玉

 阿吽の呼吸で繰り出すコンビネーションでの崩しを見せたと思えば、テクニカルなドリブルで相手DFを翻弄しシュートまで持ち込む。見る人を魅了する華麗なサッカーにより、昨年度の選手権でベスト4まで進んだ帝京長岡だが、主力が多く去った今年度は1からのチーム作りを余儀なくされた。

 今年のチームには、テクニカルなサッカーを担ったMF谷内田哲平(J2京都)や、田中克幸(明治大)のような飛び抜けたタレントがいないため、チームの作り方を昨年までと変えた。昨年はボールを握れない試合はないと考えていたため、“失ってもすぐに獲り返すために”ハイプレスを仕掛けようと考えていたが、相手にボールを持たれる時間が増えると想定した今年は“ボールを握る機会を増やすために”まずハイプレスを徹底しようと考えた。

 新チームが立ち上がった当初から、古沢徹監督は守備の強度について口酸っぱく指導してきた。本格的にチームが活動を始めた夏の練習試合でも、ハイプレスに大事な走力を重視してきた。新チーム発足当初は「昨年の面影を追っかけていた」(古沢監督)選手たちに変化が見られ、選手権予選は決して華麗なサッカーではなかったが、粘り強く勝ち上がり全国行きの切符を手にした。
 
 副キャプテンのDF三宅凌太郎(2年)は全国を前に「昨年の準決勝で青森山田に負けて、“あのピッチに絶対に帰るぞ”という強い気持ちを持っていた。こんな練習じゃダメだと声を掛けながら、球際や最後のシュートブロックを意識してきた。予選も何で勝ったかと聞かれたら、“気持ちの部分”と言えるくらい戦えた」と振り返っている。

 今まで以上の守備強度を求めてきたため新チームが立ち上がった当初はポゼッション練習をしても、パスが1本か2本繋がる程度だったが、スピードに慣れてきた選手権前からは相手をかわせるようになってきた。迎えた選手権では、昨年のチームからのアップデートを感じさせる素早い攻守の切り替えと球際の強さが目を惹く一方、大会を勝ち上がるにつれ、帝京長岡らしい見る人を沸かせる華麗な崩しも増えてきた。

 惜しくも、2年連続でベスト4敗退となったが、この一年での成長ぶりは著しい。古沢監督が「自分たちの目指すべき、ボールを大事にしてゴールを目指すサッカーに関しては、1試合1試合、目を見張るほどの成長がありました。3年生が一年間頑張ってきた成果の賜物だと思います」と称えるほどだ。
 
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