「何度か喧嘩をした」五輪世代・板倉滉はいかにしてフローニンヘンの“守備の柱”になりえたのか?「内心、少し怖かった…」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2020年11月02日

「お前はこのまま俺は日本に帰るのかよ」という焦りも

今シーズンは開幕から7試合連続フル出場。板倉は守備の中心として不可欠な存在だ。 (C) Getty Images

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 フローニンヘンは10月31日に行われたオランダ・リーグ第7節、VVV戦を2対1で勝利した。

 終了間際に失点を喫して今季4度目のクリーンシートを逃し、CB板倉滉は「もったいなかったです。DFラインとしては“ゼロ”で抑えたかったので悔しいです」と振り返ったが、「これが0対0からの失点だったら地獄だけど、勝点3を取れたのが一番大事です」と勝利を喜んでいた。

 試合後の地元紙がしばしば「フローニンヘンのベストDF」と寸評するように、板倉はフローニンヘンの最終ラインの中心として君臨している。これまで地上戦での強さに定評のあった板倉だったが、今シーズンは空中戦でも力強さを見せ、守備的MFマトゥシワの助けを借りることなく一人でヘディングの競り合いに挑めるようになった。

「今日もおそらく空中戦では負けてない。ちょっとしたミスとかあったけれど、それは自分の判断ミスだと分っているし、ヘッドでは負けてない。今季に入ってから“自信を持って空中戦にいけている”という手応えを自分でも感じてます」
 
 近頃、私はある選手たちから「逃げるか戦うか。自分は戦うことを選んだ」というフレーズを続けて聞き、その都度、板倉のことを思い出していた。

 2019年1月、フローニンヘンに加入した板倉は、その後半年間、全く試合に出ることがなかった。今回のVVV戦を終えてから、「不遇だった半年間、板倉選手は戦うことを選んだはずだが、“逃げる”という選択肢はなかったのか?」と訊いてみた。

「逃げたところでなんにも残らないし、逃げることはないですよ。だけど内心、ちょっと怖さがあったんです。初めてヨーロッパに来たけれど、試合に出られない自分にムカついてました。フローニンヘンで試合に出られない自分がマンチェスター・シティにレンタルバックしたり、他の欧州のチームに行けるとは思えませんでした『滉、お前はこのまま日本に帰るのかよ』という焦りがありました」

「孤独だった」「『サッカーってこんなに苦しくやるものなのか』と我に返ったことがある」「週末が休みで友だちとお酒を飲む普通の生活の方が楽しいんじゃないかと思った」などと、当時の苦悩を板倉は振り返る。

「でも練習に行ったら気持ちが違うんですよ。やっぱりピッチに入ったら、目の前の敵に負けたくないという気持ちに変わって『全員削ってやろう。チームメイトは全員敵』と思って練習してましたから、何度か喧嘩になりました。もちろん、ピッチの中だけですよ」

【動画】板倉の頼れる同僚、 ロッベンのフローニンヘン復帰弾はこちら!

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