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志半ばで帰国も…海外移籍が天野純にもたらした変化。苦しむ横浜の“牽引車”となるかもしれない

カテゴリ:Jリーグ

藤井雅彦

2020年07月27日

目の当たりにした弱肉強食の世界

札幌戦で見事なミドルシュートを突き刺した天野。早くも今季3点目を記録した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ7節]札幌3-1横浜/7月26日/札幌ドーム

 天野純が放ったミドルシュートは、低い弾道で地を這うようにしてゴールネットを揺らした。

 右側からのボールをトラップし、ワンステップで左足を振り抜いた。プレッシャーがかかっていなかったわけではない。圧力を感じて別の選択肢を考えてもまったく不思議ではなかった。

 それでも躊躇なくシュートを選び、見事に決めてみせた。

「その前のファーストチャンスのシーンで、シュートを躊躇して相手にブロックされてしまった。次のチャンスではしっかり振り抜こうと思っていた」

 パスをもらってから考えていたら生まれていないゴールだろう。ほとんど“決め打ち”に近い感覚で、それがGK菅野孝憲の反応をワンテンポずらした。

 チームは1-3と逆転負けを喫したが、自身は早くも今季3点目。湘南戦で記録した2ゴールも、やや強引とも言える仕掛けと高いシュート意識から生まれた。リーグ再開後、背番号39のプレーは鬼気迫るものがあり、『アマジュン』の愛称で親しまれたかつての姿とは一線を画している。
 
 28歳でようやく実現した海外挑戦は、志半ばで終わってしまった。ようやく持ち味を発揮できるようになってきた矢先、クラブの経営危機と新型コロナウイルス感染拡大という問題に直面。ピッチ内でどれだけ素晴らしいプレーをしても、状況を変えることの出来ない不可抗力だった。

 しかし、約1年ぶりとなるJリーグのピッチで、天野は自身の成長をしっかりと示している。常々語る「前へ運ぶ意識」は、ドリブルという選択や身体の向きに如実に表われ、さらにシュートへの意欲がゴールに結びついている。

 昨季、ベルギーのロケレンへ移籍するまでの天野は、18試合に出場して無得点だった。ポジションは今と大きく変わらず、攻守のリンクマンとなる役割もそのまま。変わったのは本人の思考と、それを実現させるプレーの精度だ。

 そして弱肉強食の世界で生き抜くには、結果を出すしかない事実を目の当たりにした。連続して結果を残せば、ステップアップの道が見えてくることも肌で感じた。成り上がらなければいけない欧州は、お行儀よくチームプレーに徹することが良しとされる日本と大きく違っていたのだ。
 
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