未知なる相手に対し、まずはリスクを排除してシンプルに
2月14日にU-23シンガポール代表と対戦した“手倉森ジャパン”。試合の立ち上がり、CBの岩波拓也やボランチの遠藤航が、まるで後方からのビルドアップを放棄したかのように、相手のディフェンスラインの裏を狙ってロングボールを蹴り込んだ。
10分に生まれた先制ゴールも、右SBの松原健が敵陣に少し入ったところからアーリークロスを放り込み、それが相手DFの背後でバウンドしたところを中島翔哉が左足で叩き込んだものだった。
ところが、20分を過ぎたあたりから、ロングボールによる攻撃がぴたりと止んだ。
ボランチの大島僚太や遠藤がボールを散らしたり、中盤に落ちてきた中島にくさびのパスを打ち込んだりしながら、コンビネーションで崩していく。SBの松原や亀川諒史が敵陣の深いところまで侵入するようになったのも、このあたりからだ。
ピッチ上では、いったいなにが起きていたのか――。
実は、この試合に臨むにあたって選手たちには相手の情報が一切伝えられていない。ミーティングで手倉森誠監督はこう告げた。
「どんな特徴を持っているのか分からない相手に対して、自分たちで考えてゲームコントロールしてみろ」
そのため、選手たちはどうやってゲームを進めていくか、話し合ったという。
「入りはシンプルにやろうと話していました。FWの選手も(鈴木)武蔵や(中島)翔哉、トヨ(豊川雄太)もそうですけど、スピードのある選手がいる。だから最初は彼らをシンプルに使って、相手が下がったら間を使おうと。そのイメージの共有は上手くいったと思います」
そう明かしたのは、この日キャプテンマークを巻いた遠藤である。
未知なる相手の特徴や出方をうかがいながらリスクを排除する。相手の見極めが終わり、ロングボールを警戒した相手がラインを下げたところで、強みであるショートパスとコンビネーション、スピードを活かした仕掛けで崩しにかかる。
パスを繋ぐようになると存在感が増し、前半の終了間際に5点目を決めた大島も言う。
「最初は相手の特徴が分からなかったので、変な失い方をしたくないこともあって、まず背後を狙うというのを心がけました。ちょっと背後を狙いすぎた部分もあったんですけど、入り方としては良かったのかなと思います」
こうした「ゲームコントロール」、試合を進めていくうえでの「柔軟性」は、チームが結成された1年前から手倉森監督がコンセプトとして掲げてきたものだ。
しかし、これまでは、もう一方のコンセプトである「粘り強い守備」、優位に進められない時の「割り切り」にバランスの針が振れ過ぎてしまうことがあった。
10分に生まれた先制ゴールも、右SBの松原健が敵陣に少し入ったところからアーリークロスを放り込み、それが相手DFの背後でバウンドしたところを中島翔哉が左足で叩き込んだものだった。
ところが、20分を過ぎたあたりから、ロングボールによる攻撃がぴたりと止んだ。
ボランチの大島僚太や遠藤がボールを散らしたり、中盤に落ちてきた中島にくさびのパスを打ち込んだりしながら、コンビネーションで崩していく。SBの松原や亀川諒史が敵陣の深いところまで侵入するようになったのも、このあたりからだ。
ピッチ上では、いったいなにが起きていたのか――。
実は、この試合に臨むにあたって選手たちには相手の情報が一切伝えられていない。ミーティングで手倉森誠監督はこう告げた。
「どんな特徴を持っているのか分からない相手に対して、自分たちで考えてゲームコントロールしてみろ」
そのため、選手たちはどうやってゲームを進めていくか、話し合ったという。
「入りはシンプルにやろうと話していました。FWの選手も(鈴木)武蔵や(中島)翔哉、トヨ(豊川雄太)もそうですけど、スピードのある選手がいる。だから最初は彼らをシンプルに使って、相手が下がったら間を使おうと。そのイメージの共有は上手くいったと思います」
そう明かしたのは、この日キャプテンマークを巻いた遠藤である。
未知なる相手の特徴や出方をうかがいながらリスクを排除する。相手の見極めが終わり、ロングボールを警戒した相手がラインを下げたところで、強みであるショートパスとコンビネーション、スピードを活かした仕掛けで崩しにかかる。
パスを繋ぐようになると存在感が増し、前半の終了間際に5点目を決めた大島も言う。
「最初は相手の特徴が分からなかったので、変な失い方をしたくないこともあって、まず背後を狙うというのを心がけました。ちょっと背後を狙いすぎた部分もあったんですけど、入り方としては良かったのかなと思います」
こうした「ゲームコントロール」、試合を進めていくうえでの「柔軟性」は、チームが結成された1年前から手倉森監督がコンセプトとして掲げてきたものだ。
しかし、これまでは、もう一方のコンセプトである「粘り強い守備」、優位に進められない時の「割り切り」にバランスの針が振れ過ぎてしまうことがあった。