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スペインリーグ1部で戦う清水和也は、いかにして日本フットサル界のエースに成り上がったのか⁉

カテゴリ:特集

松尾祐希

2020年07月14日

チャンスを掴めるかどうかは自分次第

撮影:サッカーダイジェスト写真部

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 世界遺産のコルドバ歴史地区などがあるスペイン南部・アンダルシア地方のコルドバ。10世紀には世界最大の人口を誇る都市になるなど、西方イスラム文化の中心地として発展してきた。その趣が現代に残されている街で、ひとりの日本人が世界最高峰の舞台に身を投じている。

 スペインリーグ1部・コルドバに所属する清水和也。新型コロナウイルスの影響で来年9月に開催が延期となったワールドカップ出場を目指す日本フットサル代表で活躍が期待される点取り屋だ。

 スペインに渡って3年目。理解に苦労していた英語とスペイン語も日常会話を行なえるまでに上達し、異国での生活にも慣れてきた。今年1月に加わったコルドバでも徐々に出場機会を獲得。飛躍の兆しも確かに見えてきた。順調に進むスペイン挑戦。しかし、ここまで平坦な道を歩んで来たわけではない。さまざまな人に支えられて、日本を代表するプレーヤーとなった。

「最初はサッカーだったんです。始めたのも実は遅くて、小学校4年生の終わりから。2年間サッカーをやって、フットサルは中学生からで、サッカーとの掛け持ちでした」

 清水がフットサルと出会ったのは今から10年前。中学入学のタイミングで、2つ上の兄が所属する“ソレイユ”(現中野フットサルクラブ/ソレイユ)でフットサルに初めて触れた。とはいえ部活のサッカーが主で、フットサルは遊び程度。そんなバランスだったという。

「中3の夏、サッカー部の活動が終わって、それでもボールを蹴りたくて、フットサルに。それからハマってしまいました。たまたま出場した大会で敗けたことが本当に悔しくて、仲間ともずっと一緒にやりたくて、高校からはフットサルに専念してみようと考えるようになりました」

 サッカーでも地区のトレセンに選ばれ、都選抜まであと少しというレベルだったが、清水はフットサルに専念する。兄が先に所属していたチーム“フットボウズ”(三鷹市で活動するフットサルクラブチーム)に身を置くと、メキメキと頭角を現わしていく。気が置けない仲間たちとボールを蹴る日々。充実していた当時を振り返り、清水は言う。

「サッカーはやり切った感がありましたし、未練はなかったです。フットサルは、もともと高校生というカテゴリーで括ることがあまりなくて、常に自分より年上のレベルの高い人たちと戦えた。その環境が本当に楽しかったですし、燃えましたね」

 強い相手とやった方が燃える。そんな清水にさらなる成長の転機が訪れる。またしても兄がつないだ縁で、F1リーグ1部に所属する“フウガドールすみだ”の練習に参加する機会が巡ってきたのだ。

「最初は人数合わせみたいなものでした。兄が高校卒業後、フウガドールのサテライトチーム、すみだバッファローズに入団していたのですが、自分が高校2年生の夏に呼ばれたんです。フウガの須賀監督が兄に『練習の人数が足りていないから、弟を呼んで来い』って声を掛けたのがきっかけで、そこからチーム練習に参加するチャンスをもらいました。
 そしてフットボウズの豊田監督と須賀監督が話し合って『なるべく早く上のカテゴリーを経験させた方がいい』という意見で一致し、フウガドールへ移籍することになったんです」

 こうして高校2年生でFリーグに舞台を移すと、翌年からトップチームで活動。高校3年生でFリーグ1部デビューし、ルーキーイヤーの2014-15シーズンは16試合で9得点を挙げた。その活躍が認められると、15年8月には日本代表の合宿に初招集。勢いそのままに2年目は32試合で19得点を奪い、新人賞を受賞した。3年目もチームのエースとして22得点を奪うと、17-18年シーズンからはチーム史上初となるプロ契約を締結。重圧が懸かる中で24得点を記録し、プロの肩書に恥じないプレーで期待に答えた。デビューからわずか4年、Fリーグ新人賞、プロ契約、日本代表定着と一気に階段を駆け上った。

「こればかりは自分の力だけではなく、周りのおかげです。そういう面で自分は運に恵まれていましたね。ただ、そこでチャンスを掴むか掴まないかは自分次第。常に上を目指す気持ちがあったからこその結果だったと思います」

 与えられたチャンスを生かし、自らの足で道を切り開いた清水。すると、今度はある想いがより強くなる。3年目から目標に掲げていた海外挑戦だ。

「(4年目は)24得点でチーム得点王になりましたけど、リーグ全体で見ればもっと取っている人がいますし、チームも優勝できませんでした。なので不甲斐なさや危機感の方が強かったです。結果を出して、ひとつずつステップアップしてきた自分にとって、さらに成長するために海外移籍は必要だったんです」
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