欧州ビッグクラブでいわゆる“レジェンド”と呼ばれるプレーヤーを、「2000年以降のチームの勝利や発展、タイトルの獲得、クオリティーアップにどれだけ大きく貢献したか」という基準で、現地記者に格付けしてもらった。
『La Repubblica』紙のエンリコ・クロー記者が選出したミランのレジェンドTOP10は――。
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ここ数年は凋落と迷走を続けているため、貢献度トップ10はCLを二度制した2000年代のアンチェロッティ時代のメンバーが中心になる。
1位は偉大なバンディエーラ(旗頭)だったマルディーニで文句なし。すでに30代だった21世紀に入っても、気品と権威をもってチームを率いる絶対的なシンボルであり続けた。
いわば黄金期の象徴的な存在だったピルロが2位。文字通りのレジスタとして、チームをコントロールし続けた。3位のシェフチェンコは、ゴールハンターでありながらアシストマンとしても有能という稀有なストライカーだった。4位のカカも、同じくゴールとアシストを量産。ミランが生んだ最後のバロンドール受賞者(07年)だ。
チームの魂と言うべき存在だったのが、5位のガットゥーゾだ。汗をかいて仲間を鼓舞するリーダーは、ピルロと完璧な相互補完をなす唯一無二のインコントリスタ(守備的MF)だった。
ピルロやカカなど黄金時代のメンバーの順位は?
常にエレガントかつクリーンに敵を食い止めたCBネスタが6位。7位のインザーギは宿敵ユーベから加入したにもかかわらず、すぐにミラニスタから愛された。とくに2ゴールを挙げた07年のCL決勝が思い出深い。
10-11シーズンにスクデットをもたらしたイブラヒモビッチは8位。この1月に約7年半ぶりに復帰すると、絶対的なリーダーとしてチームを混迷から救い出したその姿は記憶に新しい。
そのエースと並ぶもうひとりの現役メンバーが、9位のドンナルンマだ。生え抜き守護神は暗い時代の中で唯一、光と希望をもたらす存在であり続ける。
10位には、やや過小評価されていたザンブロッタを推したい。アンチェロッティの求める攻守のバランスをチームに保証する理想的なSBだった。