【名古屋】フィッカデンティ監督も慮る中断期間での練習試合の難しさ。横浜FC戦で見えた戸惑いと収穫は…

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2020年03月29日

指揮官は手応えも語る

豊田スタジアムでの横浜FCとのトレーニングマッチへ向けアップする阿部。見事なミドルで決勝点を挙げた。写真:今井雄一朗

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 指揮官も選手たちも、冷静だった。リーグ再開後には公式戦での対戦が待っているJ1の横浜FCを迎えての練習試合は、この時期としては“異例”のこと。ただでさえ実戦の機会が少ない現状だけに、その内容や結果にはことさらの注目が集まってしまうものだが、阿部浩之の決勝ゴールでの1-0の勝利と、無失点に抑え込んだ90分間の推移について、名古屋の面々の感想は実に淡々としたものだ。

「同じカテゴリーの相手ということで、どちらにとっても良い緊張感と良い集中力をもってできた試合だったと思う。すごく良いトレーニングマッチになった。サッカーというスポーツはどうしてもメンタルの面で試合に対して入っていけるかという部分が重要で、その点では実戦がないとなかなか選手たちにしてもスイッチを入れていくのが難しくなってくる。公式戦だからこそ入れていくべきスイッチというものもあるので、そういう部分はこうした練習試合で求めていくのも少し違う。だからこそトレーニングとして向上しなければならない部分にアプローチして、そこから収穫を得ていくということがこの期間ではできると思っている」(マッシモ・フィッカデンティ監督)

 チームを束ねる現場責任者として、フィッカデンティ監督は明確な目標のない難しさを抱える選手たちを慮った。形式として豊田スタジアムでの無観客試合の様相を呈した練習試合の環境も、「やはりサポーターの声は非常に大事だなと思ったし、早くそういう環境でできるようになるのを楽しみにしている」(阿部)と選手たちには一抹の寂しさを感じさせるものだったようだ。
 キャプテンの丸山祐市もチームの習熟度を問われ、「今回はDAZNで試合を中継してもらえましたが、練習試合と公式戦ではやはり違う」と評価のしにくさを口にしている。収穫も課題もあったトレーニングマッチは、そういった現場の空気感を前提にした上で話すべきかもしれない。

 そういった前置きがあるものの、総じてこの日の名古屋の出来は良かった。特に守備面での連動感、攻守の切り替えの速さ、指揮官も認めた「ディフェンスラインを高くしたい、押し込みたい、どこに人数をかけたいという部分はできていた」という部分には確かな質があり、阿部の巧みなシュートによる先制点も、この要素が重なり合って生まれたものだった。

 阿部は「もっと良い守備ができればもっと良い攻撃ができる」と慢心を許さなかったが、ゼロトップとして得点に絡んだ前田直輝も「守備のスイッチが早めに前で入ることが多くて、ショートカウンターが良い形ではまっていた」と一定の手応えを感じている。吉田豊、米本拓司といった主力で守備のキーマンでもある選手たちを欠く中でそれが実現できたことは、収穫と呼んで差し支えないだろう。

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