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「冷静さが足りなかった」矢板中央、驚異の1年生GKが悔いた決勝PKシーンと胸に刻んだ打倒・青森山田の夢

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2020年01月11日

「自分の間合いでできず、感覚で動いてしまった」

今大会、矢板中央のゴールを守り通した1年生GKの藤井。再び選手権の舞台に戻ってくることを誓った。写真:田中研治

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[選手権準決勝]矢板中央0-1静岡学園/1月11日/埼玉スタジアム

 注目を集めた1年生守護神の挑戦は終わりを迎えた。

 序盤から静岡学園に押し込まれた矢板中央。ほとんどの時間を自陣で過ごし、前後半合わせて24本のシュートを打ち込まれた。GK藤井陽登の出番は増え、この準決勝は気の抜けない展開の連続。「試合が始まる前から緊張して、プレーが硬く、キックも安定しなかった」と言いつつも、前半22分には至近距離からのシュートを2本連続で止めた。

 後半にもピンチを救うプレーを見せ、松村優太(3年)らを擁する静岡学園に得点を与えない。残された時間はアディショナルタイムの3分のみ。だが、土壇場で矢板中央はペナルティエリア内でドリブルで仕掛けてきた松村を倒してしまう。最後に迎えた絶体絶命の大ピンチ。このPKを松村に決められ、直後に終了の笛が鳴った。
 
 試合後、藤井はその場に崩れ落ちた。

「あっけなく終わってしまった。3年生と一緒にやるのは最後だったのに……」

 先輩たちの期待に応えられず、自分を責めた。とりわけ、PKの場面で感じたのは今まで経験したことのないプレッシャーだ。
「自分の間合いでできず、感覚で動いてしまったところがあった。冷静さが足りなかったし、もっと我慢して飛ぶ方向も変えられたと思う」

 何度もチームを救ってきた男は、ラストプレーを悔やんだ。とはいえ、今大会で積み上げた経験値は財産だ。

 全国レベルの戦いを通じて、自身の現在地を知れたのはプラスだった。
「大分との初戦は緊張して、相手GKの方が良いパフォーマンスで自分が劣っていると感じた。相手を上回るためにやっていかないといけない。メンタル面は相手GKの方が落ち着いていたし、もっと自分は自信を付けないといけない」

 逆に5試合を通じて、全国で戦える手応えも得た。
「GKの一番の仕事はセービング。今までの練習が自信になって、緊張した中でも良いパフォーマンスを発揮できた」

 この1年で藤井は大きく変わった。昨冬の選手権はテレビで観戦し、昨年の3月まで青森で生活。「3年生でこの舞台に立てるようになりたい」。その想いで矢板中央の門を叩いたが、GK溝口陽日の怪我で9月にトップチームデビューを飾ると、そこから目覚ましい成長を見せ、1年生でこの大舞台を経験した。その成長ぶりに髙橋健二監督も目を細めた。
 
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