世界最高のチームを短期間で完成させた名将――アンチェロッティを形成するものとは

カテゴリ:メガクラブ

サッカーダイジェストWeb編集部

2014年12月22日

改めてその価値が見直されている歴代最高の実績を挙げた名将。

R・マドリーでは4つのタイトルとなったクラブ・ワールドカップ。世界一の指揮官として、さらにその価値を高めたアンチェロッティ監督。 (C) Getty Images

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 モロッコで開催されたクラブ・ワールドカップ決勝で、サンロレンソ(アルゼンチン)を2-0で破り、2014年のクラブ世界一となったレアル・マドリー。これで公式戦の連勝は22に伸びた。
 
 インターコンチネンタル・カップ時代を含めれば、4回目の世界制覇であり、ジネディーヌ・ジダン、ロナウド、ルイス・フィーゴといったスーパースターが鮮やかなプレーを披露した横浜の夜(オリンピアを2-0で下した2002年のトヨタカップ)以来の歓喜だった。
 
 クリスチアーノ・ロナウド、ガレス・ベイル、トニ・クロース、ハメス・ロドリゲス、セルヒオ・ラモス……実力、人気ともに世界のトップクラスが集結してハイレベルなプレーを披露したR・マドリー。個々の力、チーム力を考えれば、優勝は至極当然の結果とも言えた。
 
 そしてこの優勝は、カルロ・アンチェロッティ監督に、2007年(ミラン監督時)以来となる世界一監督の称号をもたらした。イタリア人名将にとっては、選手時代(ミラン時代の1989、90年)を加えると4度目の世界一である。
 
 チャンピオンズ・リーグでも、70年代にリバプールの黄金時代を創成したボブ・ペイズリーに並ぶ3度の優勝を果たしており、今回のタイトル獲得で実績では歴代最高にまで昇り詰めたアンチェロッティ。「最高の1年だった」と決勝戦後に語ったのは、あくまでもチームとしてのコメントだったが、自身にとっても忘れられない年となったのは間違いない。
 
 昨シーズンまでの主力だったアンヘル・ディ・マリア、シャビ・アロンソがフロント主導の強化策によって放出されたことでチーム作りに苦心したアンチェロッティ。リーガ開幕時には3試合で2敗を喫したが、チャンピオンズ・リーグのバーゼル戦で5-1と大勝すると、そこからチームは調子を一気に上げ、ついに冒頭で述べた通り公式戦22連勝を飾った。
 
 短期間でチームを立て直しただけでなく、試合ごとにスター軍団にふさわしい、相手を圧倒する内容(あのバルセロナさえも!)のサッカーを植え付けたことで、今アンチェロッティという指揮官の価値が改めて見直されている。
 
 76年から92年までの現役時代には攻守両面で優れたMFとしてローマ、ミラン、イタリア代表で活躍したアンチェロッティ監督は、95年からレッジャーナで指導者としてのキャリアを開始した95年から、パルマ、ユベントス、ミランと国内で経験を積んできた。
 
 無謀な攻撃サッカーを展開したファティフ・テリムの後任として01-02シーズン途中にミランの監督に就任した時、アンチェロッティの指揮官としての評価は「典型的なイタリアの監督。堅実で決してリスクを冒さない」というものだった。
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