ついにヴィッセルに覚醒の時が。新戦力ふたりがもたらした“秩序”

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェストWeb)

2019年09月15日

フェルマーレンが加わり、守備面もビルドアップも安定

今夏に加わったフェルマーレン(左)と酒井(右)。ふたりの新戦力がチームに大きな効果をもたらしている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ26節]神戸2-1松本/9月14日/ノエビアスタジアム神戸

 ヴィッセル神戸は9月14日、松本山雅FCを2-1で下し、9位に浮上(26節終了時点)。残留をかけたプレーオフ圏(16位)のサガン鳥栖とは勝点5差で、まだ予断を許さない状況ではあるが、15位に沈んでいた8月初旬と比べれば、調子は明らかに上向いてきている。

 鮮やかなコントロールショットで先制点を奪ったダビド・ビジャは、文句なしのパフォーマンスだったが、この夏に加入したふたりの新戦力の存在は、とりわけ大きい。現役ベルギー代表DFトーマス・フェルマーレンと、ドイツで8年間プレーした元日本代表SB酒井高徳だ。

 ひとつのターニングポイントになったのは、22節の大分トリニータ戦。それまでリーグ4試合勝ちなしだった状況を受け、トルステン・フィンク監督は、4バックから3バックにシステムを変更。フェルマーレン、大﨑玲央、ダンクレーを最終ラインに並べた。

 結果は1-1のドローだったものの、この布陣変更で内容は明らかに良化。4バック時よりもマークの受け渡しやボールの奪いどころなど、守備面が整備され、さらに元々足もとの技術に定評のあるフェルマーレンがフィットし、最終ラインのビルドアップの質も格段に向上したのだ。

 さらに翌節の浦和レッズ戦には酒井が合流し、泣き所だった左サイドが劇的に安定。難敵に3-0の快勝を収めた。

 6月8日に就任してから、相手チームのスカウティングに長けているフィンク監督は、対戦相手によって4-3-3や4-4-2を採用していたが、これが逆に、少なからず選手の混乱を招いていた。しかし、今ではアンカーを置く3-5-2のシステムに固定化され、そうした迷いは解消されたように映る。

 浦和戦からの3勝1敗という結果からも、息を吹き返したことが分かるだろう。

 さらにチームを活性化させているのが、酒井のインテリジェンスなプレー。それまではどうしてもアンドレス・イニエスタ頼みだった攻撃が、酒井という気の利くプレーヤーがひとり入っただけで、選手個々の特徴に合わせた、幅の広いものになっている。

 例えばイニエスタが左太ももの負傷で欠場した松本戦では、スピードタイプの古橋亨梧が左インサイドハーフを務めた。そこで酒井は、時にあえて中央に入って古橋のドリブルスペースを空けたり、サイド深くへのパスに走り込ませたりと、このアタッカーにゲームメイクを任せるのではなく、裏への抜け出しや仕掛けを促すのである。

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