マンチェスター・Uの時とはまるで別人
GKは、チームメイトが背後に不安よりも安心感を抱くようになった時に初めて、周囲から真の守護神として認められる。そしてその信頼を得るための格好の特効薬は、重要な場面でチームを救うビッグセーブを見せることだ。
EURO2020予選の第5節ルーマニア戦(9月5日、ブカレスト)でのケパ・アリサバラガ(チェルシー)が、まさにそれだった。とりわけ後半ロスタイムでのゲオルゲ・プスカシュの至近距離からのシュートを左足で弾いたセーブは「ミラクル」という言葉が相応しいものだ(試合は2‐1でスペインが勝利)。
それまで正守護神を務めていたダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)を差し置いて、6月に行われた同予選の第3節のフェロー諸島戦と第4節スウェーデン戦に続いてスタメンで起用されたケパにとって、このシュートストップはポジションを制するうえで重要な決定打となりそうだ。
EURO2020予選の第5節ルーマニア戦(9月5日、ブカレスト)でのケパ・アリサバラガ(チェルシー)が、まさにそれだった。とりわけ後半ロスタイムでのゲオルゲ・プスカシュの至近距離からのシュートを左足で弾いたセーブは「ミラクル」という言葉が相応しいものだ(試合は2‐1でスペインが勝利)。
それまで正守護神を務めていたダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)を差し置いて、6月に行われた同予選の第3節のフェロー諸島戦と第4節スウェーデン戦に続いてスタメンで起用されたケパにとって、このシュートストップはポジションを制するうえで重要な決定打となりそうだ。
1998年フランス・ワールドカップ後に現役を引退したアンドニ・スビサレータに代って同大会以降スペイン代表の正GKを務めたサンティアゴ・カニサレスは、自らの経験談も交えてケパの立場をこう説明する。「GKがレギュラーポジションを奪うには、勝利に貢献するパフォーマンスを見せることが一番だ。ルーマニア戦でのケパの活躍がまさにそうだった」
前述のスウェーデン戦とフェロー諸島戦で、当時家庭の事情でチームに帯同できなかったルイス・エンリケの代行として指揮を任されていたロベルト・モレーノ(この6月の予選2試合の直後にL・エンリケは辞任し、正式に監督に就任した)は、リスクを承知でケパを先発に抜擢する決断を下した。そして、その理由のひとつに「精神面」を挙げた。
彼を含めた首脳陣は、デ・ヘアがスペイン代表のGKを務めるだけの十分な力量の持ち主であることを認めている。しかし、EURO2016を境にレジェンドのイケル・カシージャスを押しのけてGKに定着したデ・ヘアは、その重圧からマンチェスター・Uの時とはまるで別人のようなプレーを繰り返した。
とりわけミスを連発した昨年のロシアW杯でのプレーが批判の槍玉にあがり、以降も連敗を喫したUEFAネーションズリーグでのイングランド戦とクロアチア戦(いずれも2‐3)など、低調なパフォーマンスが続いた。この頃からL・エンリケと当時第2監督だったモレーノは、レギュラーの必要性を感じ始めていたのだ。
前述のスウェーデン戦とフェロー諸島戦で、当時家庭の事情でチームに帯同できなかったルイス・エンリケの代行として指揮を任されていたロベルト・モレーノ(この6月の予選2試合の直後にL・エンリケは辞任し、正式に監督に就任した)は、リスクを承知でケパを先発に抜擢する決断を下した。そして、その理由のひとつに「精神面」を挙げた。
彼を含めた首脳陣は、デ・ヘアがスペイン代表のGKを務めるだけの十分な力量の持ち主であることを認めている。しかし、EURO2016を境にレジェンドのイケル・カシージャスを押しのけてGKに定着したデ・ヘアは、その重圧からマンチェスター・Uの時とはまるで別人のようなプレーを繰り返した。
とりわけミスを連発した昨年のロシアW杯でのプレーが批判の槍玉にあがり、以降も連敗を喫したUEFAネーションズリーグでのイングランド戦とクロアチア戦(いずれも2‐3)など、低調なパフォーマンスが続いた。この頃からL・エンリケと当時第2監督だったモレーノは、レギュラーの必要性を感じ始めていたのだ。