「セントラルMFで起用しても…」堂安律は強豪PSVで“成功”を掴めるのか【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2019年09月03日

1年前、フローニンヘン社長に直談判した際は…

待望のステップアップ移籍を果たした堂安。オランダ屈指の名門で熾烈なレギュラー争いを勝ち抜けるか。(C)PSV

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 PSVアイントホーフェンがビッグクラブであることは言うまでもない。
 
 一方で、ブラバント地方特有のおおらかさもある。8月31日午後2時、わたしがスタジアムの受付を「こんにちは!」とひと言だけ言って通り過ぎて記者会見場に向かうと、スタジアムツアーに参加中のファンたちが堂安律の到着を待ち構えていた。実際、堂安は彼らの祝福を受けながら、記者会見場に入ってきた。
 
 堂安に対する一問目の質問は「PSV移籍を決めた理由はなんですか?」というものだった。彼は「理由だらけです」と言って続けた。
 
「本当に素晴らしいクラブです。スタジアムやチームメイトと会ったりして、あらためて本当にこのクラブの素晴らしさを知りました。ここからは言い訳できない環境になった。本当に自分次第です。すべてを懸けてPSVのために戦いたいと思います」
 
 PSVというビッグクラブに入団したことについては「本当にビッグクラブなので1試合ダメだったら、なにか言われる環境なので……。なんかいろいろ頭の中でありますが、楽しみでしかない。先ほども言いましたが、これからは言い訳ができないというのが自分の気持ちです」と語った。

 
 オランダ1年目で9ゴールを挙げた堂安に対しては昨年夏、CSKAモスクワがオファーを出したが、フローニンヘンはこれを断った。当時の社長、ハンス・ナイラントの家を訪ねて「俺をロシアに行かせてほしい」と堂安は直訴した。ナイラント社長は「まだ20歳(当時)の選手がクラブの社長の家まで来て移籍を訴えるなんて、オランダ人ですらしない」と堂安の勇気に驚き、感心した。結局、この日はナイラント社長の妻も交え、庭で食事をすることになった。
 
 あれから1年が経った。フローニンヘンは1400万ユーロ(約17億5000万円)もの移籍金をPSVに要求した。ハキム・ジイェフの獲得に際し、アヤックスがトゥベンテに払った移籍金が推定1100万ユーロ(約13億7500万円)であったことを考えれば、法外に高い金額だ。PSVとフローニンヘンの交渉はいったん打ち切られたかに思えたが、8月28日に突然、両者が合意に達したというニュースが出た。
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