「マンさんが『欲しい』というのであれば」(小泉氏)
J1鹿島アントラーズの運営母体が日本製鉄からメルカリに――。フリーマーケットアプリの大手企業による常勝軍団の経営権取得は、大きな話題を呼んだ。
新たな資本が入ることで期待されるひとつが、補強面だ。『楽天』の潤沢な資金力を武器に、アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキらを獲得してきたヴィッセル神戸のように、鹿島も世界の“大物”を釣り上げるようになるのか。
今後のビジョンや自身のチーム作りの哲学について、鈴木満常務取締役強化部長が次のように語る。
「チームっていうのは、お金をかければ強くなるかというと、そんな簡単なものでもないし、やり繰りだけで強くできるかというと、そんな甘くもない。メリハリが大事。
もちろん、お客さんがいっぱいいるところでサッカーをやるのがプロだと思っている。だから、集客につながるようなことも考えなければいけないし、そういう意味で、ネームバリューの必要性は感じている」
大物の獲得を否定はしない。しかし、それは最優先されるべき事項ではない。まずは、チームとしての土台をしっかりと作ること。そこをないがしろにすれば、せっかくの大物でも「価値を見出すことはできない」という考えだ。
「どこまで土台ができて、醸成しているかをしっかりと見極めて、勝負するところ、我慢するところを判断してやっていきたい」
新たな資本が入ることで期待されるひとつが、補強面だ。『楽天』の潤沢な資金力を武器に、アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキらを獲得してきたヴィッセル神戸のように、鹿島も世界の“大物”を釣り上げるようになるのか。
今後のビジョンや自身のチーム作りの哲学について、鈴木満常務取締役強化部長が次のように語る。
「チームっていうのは、お金をかければ強くなるかというと、そんな簡単なものでもないし、やり繰りだけで強くできるかというと、そんな甘くもない。メリハリが大事。
もちろん、お客さんがいっぱいいるところでサッカーをやるのがプロだと思っている。だから、集客につながるようなことも考えなければいけないし、そういう意味で、ネームバリューの必要性は感じている」
大物の獲得を否定はしない。しかし、それは最優先されるべき事項ではない。まずは、チームとしての土台をしっかりと作ること。そこをないがしろにすれば、せっかくの大物でも「価値を見出すことはできない」という考えだ。
「どこまで土台ができて、醸成しているかをしっかりと見極めて、勝負するところ、我慢するところを判断してやっていきたい」
一方、新たに鹿島の代表取締役社長に就任したメルカリの小泉文明取締役社長兼COOのスタンスはこうだ。
「アントラーズのフィロソフィの中で、勝負をかけるべきタイミングがある。(大物獲得を)まったくしないというよりは、これまでのマンさん(鈴木満)の作ってきた考え方の中で、勝負所であれば、僕は全然あるかなと思っています」
チーム強化の部分でも、小泉氏は鈴木氏に同調する。
「なんでもかんでも良い選手を連れてきたら勝てるかといったら、そういうわけではないかな、と。やはり、適材適所、もしくは勝負所でのタイミングで、マンさんが『欲しい』というのであれば、その時に考えればいい」
そのために、メルカリはビジネスで稼ぎにいく。
「何のために稼ぐかといったら、チームの強化のためであり、それは育成も含めた話。アントラーズの勝利のために、どうやって一丸となれるかが大事」
クラブ創設から多大なる貢献を示し、鹿島の「20冠」すべてに携わってきた鈴木氏が言葉に力をこめる。「やっぱり、圧倒的に勝ちたいし、圧倒的に人気チームになりたい」と。
これまでの歩みを振り返れば、間違っていなかったと自負できる。もっとも、それに甘んじるつもりは一切ない。「これからは変わらなければいけないという想いも強い」。
メルカリとともに新たな時代を切り開き、新たな価値観を生み出そうとする鹿島の動向から目が離せない。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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