【現地発】パリで“ぬるま湯”に浸かる怪物エムバペへの警鐘――このままではネイマールの二の舞に…

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年05月02日

持ち味であるオフ・ザ・ボールの動きが減少

リーグ・アンという環境はエムバペ(左)にとって最良なのか? 停滞感が否めないネイマール(右)と同じ轍を踏む可能性も。(C)Getty Images

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 4月21日にパリ・サンジェルマンがリーグ・アン連覇を達成した。当日のモナコとの試合を控え、ホテルでテレビ観戦していたイレブンは、2位のリールがトゥールーズとスコアレスドローで終わったことを見届けてその瞬間を迎えた。

 この何とも拍子抜けした優勝は、リーグ・アンで安穏とした日常を享受するパリSGの現状を表わしているようでもあった。そして、その象徴的な存在が“若きエース”キリアン・エムバペだ。

 怪童の現状に危機感を抱いているのは、日々接しているクラブのスタッフたちだ。エムバペは、世界一のプレーヤーの座に君臨してきたリオネル・メッシの後継者の最右翼と目されていた選手であり、周囲の期待も特大だ。そんななか、「世界一の金満軍団」を取り巻く特有の“ぬるま湯体質”に影響を受け始めているというのだ

 彼らによれば、何も真面目に練習に取り組んでいないわけではない。エムバペは本来がプロ意識の高い選手であり、その姿勢に変わりはないという。

 ただ、昨年に弱冠19歳で中心選手のひとりとして母国フランスのワールドカップ制覇に貢献し、エムバペのステータスは一気に上昇した。それこそ歓迎セレモニーの連続であり、受け取る年俸も、メッシの20歳当時と比較するとおよそ7倍の額にまで上がった。
 
 昨シーズンまで2年間チームを率いていたウナイ・エメリ監督(現アーセナル)は、すでにスタッフにこう警鐘を鳴らしていた。「リーグ・アンには重大な戦術的欠陥を抱えたチームが少なくない。エムバペほどの選手であれば、流しているようなプレーでも相手DFを突破することができてしまう」

 今シーズンからエメリの後を継いだトーマス・トゥヘルも、昨年の秋の時点で同様の不安を抱いていた。当時、エムバペはゴールを量産し、メディアの報道も称賛ばかりだった。しかしそのプレーの中身を見ると、指揮官の不安の原因が明白になる。

 ボールを持った味方の周辺で動き回ってスペースを生み出したり、相手DFの背後を狙ったり、バイタルエリアでダイアゴナルランを見せたりといった持ち味であるオフ・ザ・ボールの動きや運動量が減少。それに反比例するように、足下でボールを受ける機会が増加していった。そう、ネイマールと同じ現象である。
 

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