[J１第５節]松本０-２川崎／３月31日／アルウィン
 
　勝負を決する一撃だった。
 
　１-０で迎えた64分、相手ゴール前で家長昭博から横パスを受けた阿部浩之は、右足を思い切り振り抜く。放たれたボールはバーを叩いて、ゴールに吸い込まれた。
 
「完璧でした。気持ちよかったです」
 
　自画自賛の嬉しい今季初ゴール。「アキ君が相手を引き付けてくれたので、ポコってスペースが空いた。シュートは力みなく、落ち着いて打てました」。勝点３をグッと引き寄せるファインゴールだった。
 
　リーグ戦では４節を終えて３分１敗と、未勝利のまま臨んだアウェー松本戦だった。阿部は２列目の左サイドで今季初先発を飾ると、序盤からキレのある動きで攻撃に絶妙なアクセントをもたらしていた。
 
　抜群の存在感を放ちながら、決定的な仕事もこなしてみせる。左足の負傷から復帰した29歳のアタッカーは、３連覇に向けて巻き返しを図るチームにおいて、今後も頼りになる働きを見せてくれそうだ。
 
取材・文●広島由寛（サッカーダイジェスト編集部）

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