［J１リーグ３節］FC東京２-０鳥栖／３月10日／味スタ

　０-２で敗れ、開幕３連敗となった鳥栖。試合後、選手たちは天を仰ぎ、ピッチ上にうなだれた。攻撃陣もこの３戦で無得点と、課題は山積みだ。

　だが、そんなチームにおいて、明るい材料もある。U-18チームに所属する17歳、松岡大起の台頭だ。

　２種登録ながら前節の神戸戦でスタメンに抜擢。ルイス・カレーラス監督が絶賛すると、FC東京戦でもスタートから起用された。この日は本職のトップ下ではなく左サイドハーフに配置され、正確な技術とアグレッシブなプレーでチームを支えた。
 
　特に前半は効果的な守備を披露。敵将の長谷川健太監督も「（右サイドの久保建英に対して）前半は非常に相手も警戒していた。松岡を左サイドハーフにして、中盤の高橋（義希）も含めて自由を与えてもらえなかった」とし、攻撃が停滞した理由の一因に挙げたほどだ。
 

　バルセロナでのプレー経験を持つカレーラス監督も松岡を賞賛。試合後の会見で３連敗を喫したチームについて厳しい表情を見せていたが、この成長株の話になると表情が一変。「彼を非常に信頼している。彼には未来がある。日本代表の監督にも見てほしいし、自分たちも彼という存在を大事にしないといけない」と背番号41のプレーに目を細めた。その証拠に右サイドハーフの金崎夢生を60分に下げたが、松岡は最後までピッチに立ち続けている。
 
　両指揮官から名前が挙がった松岡。ほんの少し前までは下部組織でプレーするひとりの選手に過ぎなかった。

　昨季はU-18チームのレギュラーとして活躍し、世代別代表に招集。今年１月にはU-20代表に飛び級で選ばれた実績を持つ一方で、同い年であるFC東京の久保のように、この世代のメインキャストを張ってきたわけではない。2017年のU-17ワールドカップには出場しておらず、国際舞台を戦った経験も皆無だ。それでも、松岡が久保と同じようにJ１で出場機会を得ているのは、目を見張るスピードで力を付けているからに他ならない。とりわけ、負けん気の強さと謙虚さがその成長を支えている。

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