山口蛍が明かしたビジャと日本人FWの大きな違い。ゆえに、その最適ポジションは?

カテゴリ:Jリーグ

吉田治良

2019年03月03日

セレッソ大阪との開幕戦では左サイドで鋭い仕掛けを見せたが…

鳥栖戦でJリーグ初ゴールをマークしたビジャ。相手のミスを逃さなかった。写真:徳原隆元

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 バルセロナ加入1年目の2010-11シーズン、ダビド・ビジャのポジションが中央から次第に左サイドへと移行したのは、彼以上にゴールを奪える可能性の高い選手=リオネル・メッシがチームにいたからだ。

 しかし、現在のヴィッセル神戸にメッシのようなモンスターがいない以上、ビジャのポジションは「ゴールにもっとも近い位置」に固定されてしかるべきだ。


 08年のEUROと10年南アフリカ・ワールドカップの得点王は、チャンスメーカーとしても有能で、決してフィニッシュ特化型のストライカーではない。ただ、なんでもできてしまうのに器用貧乏にはならず、中央でもサイドでも求められるパフォーマンスを最大限に発揮できる、非常に稀有なアタッカーと言っていいだろう。仮にセンターフォワード(CF)に固定すれば、故障でもないかぎり「シーズン15得点」を保証してくれるのは、20代の頃も30代後半となった今も変わらないはずだ。

 Jリーグデビューとなったセレッソ大阪との今季開幕戦は左サイドで起用され、鋭いカットインやサイドバック(SB)の攻め上がりを促すボールキープなど、仕掛け/崩しの局面でさっそく大きな違いを生み出したビジャ。それでもゴールまでの距離が遠く、フィニッシャーとしての仕事は限定的だった。

 アンドレス・イニエスタを“偽の9番”とするゼロトップシステムを採用したC大阪戦は、ボールを圧倒的に保持しながらシュートまでなかなか持ち込めずに0-1で敗れている。その反省も踏まえてだろう。神戸のリージョ監督は2節のサガン鳥栖戦で、ビジャを中央に置く3トップを採用した。

「セレッソ戦との違いは、相手センターバックの近くに人を集めたことだ」(リージョ監督)

 両SBなど3人目の動きも含めて、バイタルエリアに多くの選手が入り込むことで、必然的にビジャが決定的なシーンに絡む機会も増えた。とりわけ、常に近い距離を保った左サイドの古橋享梧、トップ下のイニエスタ、さらには右から再三インナーラップを仕掛けた西大伍とのコンビネーションが、鳥栖守備陣の大きな脅威となっていた。
 
 攻撃に厚みが生まれたのは、間違いなく最前線にビジャという明確なターゲットがいたからだ。この日はボランチの山口蛍、そして加入直後ながらいきなりスタメンデビューを飾ったCBのダンクレーから、球足の長い縦パスが何度となくビジャに届けられたが、こうしたプレーは開幕戦では見られなかったものだ。

 11分に山口からの浮き球のパスをダイレクトボレーで合わせると、34分にはダンクレーのフィードに抜け出して放った一撃がクロスバーを叩く。結果的に鳥栖DFのミスを突いて奪った54分の決勝点も、起点となったのは山口が送り込んだ縦パスだった。
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