イングランド・サッカー界きっての名伯楽が、英国中で話題となっている。過去にウェストハムやトッテナム、QPRを率いたハリー・レドナップが、英国のリアリティー番組に出演中なのだ。

　レドナップが出演した番組は、『I'm a Celebrity』。その内容はかなり過激で、選ばれたセレブたちがジャングルで生活を共にする中で、密閉された箱の中で７万5000匹のイモムシやゴキブリを身体に浴びせられたり、１分以内にゴキブリやコオロギが乗ったパイを食さないといけないなどの苦行を行なう。

　そして、視聴者からのアンケートで「意気地なし」と認定された場合は、降板させられ、生き残った出演者には賞金が与えられるという、もはや理解不能だが、すでに第18シリーズまで作られている大人気プログラムだ。

　当然、イングランド・サッカー界のレジェンドであり、御年71歳となったレドナップに対しても、番組は容赦ない。スライムと魚の臓器が混ざった液体（？）が大量に入った箱に顔を突っ込んで積み木を取るミッションや、さらに生きた状態の巨大イモムシやゴキブリを10秒間に口に含ませたりと、まさにやりたい放題！

　しかし、そこはプレミアリーグで幾多の修羅場をくぐり抜けてきた名伯楽。どんなに厳しいミッションに対しても、恐れることなく、果敢に挑み続け、ここまで無事に勝ち残っている。

　身体を張る71歳の姿は人々の心に響いているようで、英公共放送「BBC」によれば、番組が放送される日曜日の21時台に「ハリー・レドナップ」というワードが、グーグル内で20万も検索されたという。

　一体なぜ、彼はここまで身体を張るのか？　大衆紙『The Sun』によれば、54年間連れ添っている最愛の妻サンドラさんと孫娘のモリーさんにカッコイイ姿を見せるためだとか。それだけのために、“ゲテモノ食い”まで披露する必要があったのか……。その答えはもはや誰の知る由もない。

　いずれにしても、昨年９月までバーミンガムを率いて現場の最前線に立ち、かつてはイングランド代表監督の候補者ともなった男がみせた意外な奮闘ぶりは、英国内で大人気を博している。