DJ、選手、同席者はともに「ジョーク」と解釈

ゴールを量産して女子チャンピオンズ・リーグの3連覇、国内リーグ12連覇などに大貢献したヘーゲルベルグ。思わぬことで注目を浴びてしまったが、その偉業は受賞に相応しいものだ。 (C) REUTERS/AFLO
ルカ・モドリッチが受賞したバロンドールは、今年から新たに女子部門も創設された。栄えある初代受賞者となったのは、フランスのリヨンに所属するノルウェー代表のアーダ・ヘーゲルベルグだ。
しかし、その歴史的な快挙に影を落とす騒動が起きてしまった。セレモニーで共同司会を務めていたフランス人DJマーティング・ソルベイグ氏が、ヘーゲルベルグに“トゥワーク”を求めたことで、「セクハラだ」と“炎上”したのだ。
しかし、その歴史的な快挙に影を落とす騒動が起きてしまった。セレモニーで共同司会を務めていたフランス人DJマーティング・ソルベイグ氏が、ヘーゲルベルグに“トゥワーク”を求めたことで、「セクハラだ」と“炎上”したのだ。
セレモニーで曲を流していたソルベイグ氏は、女子部門同様に今年から新設された21歳以下の選手を対象とする「コパ・トロフィー」をキリアン・エムバペが受賞した際、曲に合わせて彼と一緒に踊っていた。
その後、ヘーゲルベルグが受賞した時に、ソルベイグ氏はエムバペの時のように一緒に踊らないかと誘った。だがその際、「トゥワークできる?」と口にした。トゥワークとは、低くしゃがんだ体勢で、お尻を動かすセクシーなダンスのことだ。
すると、ヘーゲルベルグは表情をこわばらせて「ノー」と一蹴、その場を立ち去りかける。テレビカメラには、唖然とした表情のエムバペの姿が映し出された。
その後、ソルベイグ氏とヘーゲルベルグはフランク・シナトラの曲でダンスを踊ったが、SNSなどでは彼に対する抗議と批判が殺到。ソルベイグ氏はその後、ツイッターで「気分を害した人全てに謝罪する。ジョークだった。おそらく悪い冗談だった。謝罪したい」と釈明に追われた。
「自分の英語レベルと英国文化レベルの捻じれから生まれたものだ。誰かを怒らせるつもりはなかったし、そう捉えられるとは知らなかった。最後に我々がシナトラで踊ったという全体的な流れを考えれば、なおさらだ」
ソルベイグ氏はヘーゲルベルグと握手した写真を載せて、「ジョークだったと彼女は理解してくれた。それでも、気分を害した人には謝罪する。最も大事なのは、アーダ、受賞おめでとう」と、当人同士のあいだに問題はないと主張した。
ヘーゲルベルグは英公共放送「BBC」に対し、「セクハラだとは考えなかった」とコメント。「彼は後で、私のところに来てくれた。ああなってしまって、本当に悲しんでいたわ」と述べている。
「正直、バロンドールを受賞し、踊ることができて、ただ嬉しかった」
また、ヘーゲルベルグのチームメイトで、バロンドール候補に挙がっていたルーシー・ブロンズも、「ただのジョーク」と話した。
「ソルベイグは受賞者全員に、どんなダンスが踊れるか聞いていた。彼女はトゥワークができると、ウソをついていたの。彼女を躍らせるためのジョークでしかなかったのよ」
バロンドール授賞式は世界が注目する舞台だけに、不用意な言動は許されないということだろう。いずれにしても、ヘーゲルベルグはこのような騒動ではなく、プレーで注目を集めたいと願っていることだろう。