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ベネズエラ戦で見えた森保ジャパンの"伸びしろ"。注目はビルドアップにおけるGKシュミットの役割だ

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2018年11月18日

シュミットは"間"を通してボランチにつける

ビルドアップに貢献したシュミット。ボランチへつけるパスが効果的だった。(C)SOCCER DIGEST

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 これまでが出来過ぎだったのか、森保一監督の就任4試合目となるベネズエラ戦は、1-1の引き分け。内容も難しい印象を残した。
 
 ベネズエラは日本にとっても最も苦手な戦術を実践した。攻撃フェーズにおいては、アンカーの8番トマス・リンコンを最終ラインに落とし、3枚に変形し、大迫勇也と南野拓実とのかみ合わせから、1枚をフリーとし、サイドへロングボールを蹴る。これを起点とした攻撃が、第一のパターン。
 
 一方、日本が両ウイングの中島翔哉と堂安律を前に上げ、プレッシングの数を合わせてきたら、サイドバックの裏を狙う。なぜなら、中島と堂安が捨てたマークを受け取るために、佐々木翔や酒井宏樹が前へ出て、その裏のスペースが空くからだ。この第二のパターンも有効だった。
 
 ロングボールを蹴られて中盤が間延びし、ならばと前へ出てみると、即座に裏のスペースを狙われる。クリアな戦術に対し、日本らしい守備を実践するのが困難な試合だった。展開としては、2016年ワールドカップ最終予選、ホームのイラク戦を思い出す。山口蛍の劇的ゴールで2-1の勝利を収めたが、あの試合もロングボールとフィジカルを押し出す戦法に苦しめられた。アジアカップでも、決勝トーナメントでは、このような相手と戦うことになるかもしれない。
 
 一方、ベネズエラは守備面においても4-1-4-1の1トップとMF4人が、日本の最終ラインとボランチに人をかみ合わせ、ハイプレスを敢行した。ただし、これに対しては、日本が明確な対応策を用意していた。
 
 キープレーヤーはGKシュミット・ダニエル。相手がハイプレスで吉田麻也と冨安健洋を抑えてきたとき、その“間”を通し、柴崎岳や遠藤航の足下へ入れる。このショートパスは、あまり過去の日本代表では見られない、新しいチャレンジだ。森保カラーでもある。
 
 この“間”にスペースを作るために、吉田と冨安はあらかじめ広がってポジションを取っておく。そして、遠藤や柴崎からのバックパスを前向きに受け取ると、縦パスを窺う。もっとも冨安はパスに精度を欠く場面がしばしばあり、吉田も本来の右センターバックから左センターバックに回ったことで、利き足を効果的に使える場面が減り、普段ほどのビルドアップの貢献度はない。それでもミスは少なく、30分には南野拓実への絶妙なスルーパスを通すなど、及第点以上のパフォーマンスでまとめるのは、さすがに経験を積んだ選手だった。
 
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