鹿島と川崎に見るチャンピオンの美学。王者に求められる「勝ちっぷりと負けっぷり」とは

カテゴリ:Jリーグ

吉田治良

2018年11月15日

川崎の“勝ちっぷり”は見事だったが、優勝決定のC大阪戦は…

鹿島はACL初制覇、川崎はJ1の2連覇とそれぞれに快挙を達成したが、川崎の"負けっぷり"は気になった。

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「人生は勝ち負けじゃない、勝ちっぷりであり、負けっぷりだ」
 
 WBCの元世界バンタム級王者で、フェザー級、スーパーバンタム級を合わせて世界3階級制覇を成し遂げた長谷川穂積は、現役時代にこんな言葉を口にしていた。
 
 王者たるもの、ただ勝つだけで満足してはならない。どのような勝ち方をし、そしてどのような負け方をするか。たとえ敗れようとも、なにかしらの爪痕はリングに残さなくてはならない。チャンピオンの美学であろう。
 
 主語はボクシングだけでなく、あらゆるスポーツに置き換えられる。
 
 川崎フロンターレがJ1リーグを連覇した。史上5チーム目の快挙である。
 昨季、悲願のリーグ制覇を果たし、ついに“シルバーコレクター”という不名誉なレッテルを剥ぎ取った川崎。けれど彼らは、夢のマイホームをようやく手に入れた世の男性が、ローンの残高とため息をグラスに浮かべながら、晩酌を少しだけ控え目にするようなケチな真似はしなかった。
 タイトルを「守る」のではなく、あくまで攻めの姿勢を貫いて防衛した川崎の“勝ちっぷり”は、見事だったと言うほかない。
 
「去年に見えたベースに、どう上積みをしていくか。上積みをするためには、チャレンジが必要になる。だから序盤戦はある程度、不安定な戦いを強いられると覚悟していました」
 
 チームを率いる鬼木達監督は、『サッカーダイジェスト』の優勝記念号の中でそう話している。
 事実、サンフレッチェ広島にシーズンの初黒星を早々と5節に喫してから、4戦連続で白星に見放されるなど、序盤戦はかなり苦しんだ。
 
 だが鬼木監督は、それも織り込み済みで、昨季からのさらなる進化を求めた。
 
 多少の躓きにもチームに動揺が走らなかったのは、「ボールを握って攻め続ける」という揺るぎないスタイルがベースにあったからであり、そしてペースダウンする広島を尻目に調子を上げ、颯爽と追い抜くことができたのは、「高い位置からのプレッシング」というディフェンス面での進化があったからだった。
 
 だからこそ余計に残念に思うのが、優勝を決めた32節・セレッソ大阪戦の“負けっぷり”だった。
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