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「独裁者」ではなく――仏誌編集長が語ったリーグ・アンで辣腕を振るうハリルホジッチの今

カテゴリ:ワールド

レミー・ラコンブ(フランス・フットボール誌編集長)

2018年11月14日

ハリルホジッチはいかにしてナントを蘇らせたのか?

「少しばかり“日本化”させて仕事をしている」というハリルホジッチは、ピッチ内外でナントに好影響をもたらしている。 (C) Getty Images

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 その比較は教訓的だ。

 一方には、モナコを率いて6試合をこなして4敗2分のティエリ・アンリ。そして、もう片方には、ナントを率いて6試合を終えて4勝1分1敗のヴァイッド・ハリルホジッチ――。

 この2人は、ほぼ同時期に新天地の指揮官となったが、インパクトは完全に異なっている。監督経験の浅い41歳のアンリが、チームの諸問題に直面して途方に暮れてしまっているのに対し、経験豊富な66歳のハリルホジッチは、瞬く間にチームを変貌させてしまったからだ。

 では、一体どうやって変貌させたのだろうか?

 その答えは、プラグマティック(実情に合わせて柔軟に対応すること)で、なおかつ厳格な姿勢を見せながら、である。

 ハリルホジッチの前任者であるミゲル・カルドーゾは、チームがそれにマッチするように編成されていなかったにもかかわらず、無理矢理、ポゼッション・スタイルを実践させようとして、完全に失敗してしまった。

 ところが、「コーチ・ヴァイッド」は、各選手がそれぞれのプレーゾーンをしっかりリスペクトしながら、スピーディーに前線に飛び出すスタイルを打ち出した。これによってトレーニングもがらりと様変わりし、短時間ながら高密度の内容となった。

 その結果はどうか。選手たちはフィジカル的な耐久力を取り戻し、90分間に渡って強度を保てるようになったのだ。

 最たる例は、アルゼンチン人FWのエミリアーノ・サラだ。ゴール前での「不器用さ」が有名だった長身CFは、これまで見せたこともないほど、より効率的なアタッカーに大変身を遂げた。

 さらにナントでは、プライベート面でも、以下の新たなルールが打ち立てられた。

 ホームでの試合前夜は「ミ・ゾ・ヴェール(緑の中に置くという意味で、全員でホテルに宿泊し、食事や散歩をともにしながらリラックスと集中を図る仕組み)」をすること、時間を守ること、マッサージルームでの携帯電話の使用は禁止すること、そして、一日に2回のトレーニングがある日は、義務として全員一緒に昼食をとること、だ。

 とはいえ、フランス人兼ボスニア・ヘルツェゴビナ人の監督が、「軍隊式の体制を敷いた」などと思ってはならない。なにしろ、こうした厳格なルールの一方で、彼はアウェーでの試合に勝利した時には、その翌日、選手たちへシャンパーニュ、それもドン・ペリニヨンのロゼを奢るのだ。
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