真価を発揮している若い才能たち

ここまで公式戦で4ゴール以上を奪った試合が6つ! 前半は攻撃が機能しなくても、終わってみれば大差での勝利に終わっているのが、今シーズンのドルトムントの特徴だ。写真はA・マドリー戦。 (C) Getty Images
ドルトムントのサッカーが面白い。
ここ数年、悪くはないが、内容的にも結果的にもどこか歯痒いシーズンが続いていた。
大事なところで勝てない。昨シーズンもシャルケとのダービーでは、ホームゲームで一時は4-0としながら、世紀の同点劇を許し、2戦目も完敗。最終節ではホッフェンハイムに敗れ、チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権こそ確保したものの4位でフィニッシュと、ファンは大喜びできないでいた。
ここ数年、悪くはないが、内容的にも結果的にもどこか歯痒いシーズンが続いていた。
大事なところで勝てない。昨シーズンもシャルケとのダービーでは、ホームゲームで一時は4-0としながら、世紀の同点劇を許し、2戦目も完敗。最終節ではホッフェンハイムに敗れ、チャンピオンズ・リーグ(CL)出場権こそ確保したものの4位でフィニッシュと、ファンは大喜びできないでいた。
今シーズンこそ。
クラブの期待を一身に受けて迎え入れられたのが、リュシアン・ファーブル監督だ。ブンデスリーガでは過去に、ボルシアMGとヘルタ・ベルリンを率い、チームレベルを大きく引き上げた。若き日のマルコ・ロイスを覚醒させたことでも有名だ。
しかし、好スタートとはいかなかった。DFBカップ1回戦では 2部のグロイター・フュルトに大苦戦。ブンデスリーガ開幕後も、不安定さが否めない試合が続いた。スタメンもなかなか定まってこない。だが、ファーブルに焦りはなかったようだ。少しずつチームを修正しながら、その時を待った。
歯車が一気に噛み合い出したのは、5節ニュルンベルク戦からだ。
7-0という結果もそうだが、それ以上に特筆すべきは、若手選手が多く起用された点だ。スタメンでは、SBのアシュラフ・ハキミ(19歳)、CBダン=アクセル・ザガドゥ(19)、FWクリスティアン・プリシッチ(20)、ヤコブ・ブルーン・ラルセン(20)と、4選手が20歳以下。また18歳のジェイドン・サンチョも、途中出場からゴールを決めた。
プリシッチは、あのユルゲン・クロップ監督が獲得を熱望するほどの逸材であることを改めて証明し、モロッコ代表ハキミは、レアル・マドリードがレンタルでの移籍しか認めなかった理由を、その能力で示した。
また、ラルセンはスーパースターになれるだけの才能を披露し、昨シーズンは評価の良くなかったザカドゥもCBで持ち味を発揮。そしてサンチョは、キャプテンのロイスから「本物の武器」と称賛されるプレーを見せている。
そして、クラブとの契約を2022年まで延長したサンチョは、『スポーツビルト』誌のインタビューで、ドイツに留まり続けることを選んだ理由を、以下のように明かした。
「ここで僕は、多くの出場機会を得ることができる。若い選手にとっては、成長のために大事なことなんだ。将来どうなるかは、誰にも分からない。でも今、僕はここですごく幸せだ」
ミヒャエル・ツォルクSDは、「今後しばらくは我々のところでプレーすると、確信している」とコメント。サンチョの市場価値は、500万ユーロ(約6億5000万円)から4500万ユーロ(約58億5000万円)まで急上昇しているという。