川崎が首位攻防戦をモノにできた理由。漂っていたのは“王者の風格”だ

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2018年08月20日

谷口もチームのパフォーマンスに手応えを語る

重要な一戦に勝利して喜ぶ川崎の選手たち。首位の広島との勝点差を6に縮めた。写真:徳原隆元

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[J1リーグ23節]広島1-2川崎/8月23日/Eスタ
 
 首位の広島と2位の川崎の勝点差は9。川崎は消化試合がひとつ少ないだけに、勝てば追撃態勢を整えられるが、負ければ大きく離される。23節で迎えた広島との直接対決は、連覇を目指す川崎にとっては今季の分水嶺ともなり得るゲームだった。
 
 プレッシャーはあっただろう。しかし重要な一戦で、昨季の王者が見せたのは“らしさ”を存分に示した素晴らしいパフォーマンスだった。
 
 ポゼッション率は65.7パーセント対34.3パーセント(データ提供:opta)。川崎は持ち前のパスサッカーで序盤から広島を攻め立て、チャンスを作り出したのだ。56分には広島のパトリックにワンチャンスを決められて先制を許したが、それでもいたって冷静だった。
 
「やっていることは間違いないという感覚はありました。ゴールまでの道筋は見えていたと思いますし、続けていこうと。焦らずにいこうと。じっくりやったら点は取れるという確信はあったので、皆が信じてやれました」
 好フィードで貢献したCBの谷口彰悟がそう振り返ったように、バランスを崩すことなく、落ち着いて攻め続けると、63分に谷口、阿部浩之、守田英正がキレイにワンタッチでつないでエウシーニョが右サイドを抜け出すと、そのクロスに小林悠が合わせて同点。
 
 さらに77分には大島僚太のスルーパスに反応した右サイドの家長昭博がクロスを上げると、相手の手に当たりPKを獲得。これを小林が沈めて逆転に成功。その後は広島の猛攻をかわして勝点3を手にした。谷口は試合後、自分たちのペースで試合を展開できたことも喜ぶ。
 
「立ち上がりは相手がかなりプレッシャーをかけてきたので、手こずって前に運ぶことができなかったんですが、焦れずにボールを動かしながら、相手を走らせながらというやり方をできたからこそ、後半はだいぶ楽に向こうのゴール前まで運べるようになりました。先に気を付けていた形で失点したのは反省ですが、攻撃でパワーは出せました」

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