「ビックリしました」
そんなシンプルな感想も無理はない。新チームがスタートした段階ではレギュラーですらなく、「サイドハーフで出られるかどうかくらい」(若月)の立場だったからだ。ポテンシャルは高く評価されていたものの、新たにパスサッカーを志向するようになっていたチームの中で十分に居場所を見付けられていなかった。
そんな若月の転機は4月30日に行なわれたプリンスリーグ関東の三菱養和ユース戦だ。この試合で若月はFWとして初先発。それまでのサイドハーフ起用と違い、前から追って、裏に抜け出し、ドリブルで仕掛けるスタイルを存分に発揮した。
1得点・2アシストを決める大活躍で、4-2の勝利に貢献。これで桐生一内での信頼感をグッと高め、のちにU-17日本代表で一緒にプレーすることとなる栗原イブラヒムジュニアら精鋭が揃う関東の名門クラブを相手にしたプレーは、関係者の目にも留まることとなった。
群馬県トレセンでのパフォーマンスも評価され、国際ユースサッカーIN新潟でついに代表初招集。「全国には絶対に眠っている選手がいる」と確信を込めて話す秋葉忠宏監督はメンバーの約半数を初招集選手で固めていたのだが、その枠の中に滑り込んだ形だった。
