【現地発】常勝バルサの全神経はクラシコでの勝利、そして無敗優勝へ注がれている

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2018年05月06日

重圧に打ち勝ち、常勝を築いてきた。

イニエスタとメッシ。トップチームに定着して以来、32個のタイトル獲得に貢献してきた彼らこそ、常勝バルサの象徴とも言える存在だ。 (C)REUTERS/AFLO

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 バルセロナは今シーズン、クラブ史上8度目となるリーガ・エスパニョーラとコパ・デル・レイのドブレーテ(2冠)を達成した。とくにコパ・デル・レイ決勝(相手はセビージャ)は、5-0のスコアが示す通りの圧勝を収めている。

 この勝利は、その11日前に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝第2レグのローマ戦で、「パウリーニョを起用しなかったエルネスト・バルベルデ監督の采配が、大逆転負けの直接の引き金になった」という説を作り上げ、それをみずから周囲に流し、コパ決勝の結果次第では今シーズン限りでの監督の解任も辞さないという機運作りに励んでいた一部幹部の水面下での企みを、見事に打ち砕いた。

 おもしろいことにその同じ幹部が、このマニータ(5得点)での圧勝劇の最大の要因は、コウチーニョを起用したバルベルデ監督の采配にあると周りに吹聴している。すべては結果次第、それが現在のバルサである。そうしてクラブが成果主義に走る中、長年育んできた伝統のDNAまでもが揺らぎ始めているのは、ある意味当然と言えるだろう。
 
 しかし、常勝バルサの歴史は重圧に打ち勝ってきた歴史でもある。開幕直前のスペイン・スーペルコパで宿敵レアル・マドリー相手に大敗した屈辱をバネにリーガで快進撃を披露したように、百戦錬磨の選手たちは、決勝という大舞台でバルベルデ政権誕生以降最高とも言えるパフォーマンスを見せ、“ローマ・ショック”を打ち払った。

 そんな転換期を迎えているクラブの象徴的な存在が、アンドレス・イニエスタだ。来月34歳の誕生日を迎えるベテランは、シーズンを通して健在ぶりを見せ続けた。だが、このコパ決勝の後に退団を発表。新天地は中国のクラブになることが確実視されている。

 彼がどのような考えに基づいてこの決断を下すに至ったのか、その過程の中でクラブはどのような対策を講じたのか、詳細は明らかになっていない。いずれにせよフロント陣の中に、イニエスタが今シーズンに衰えを見せ、そのまま退団する流れになると考えていた者がいたことは確かだ。

 だが、この決勝を振り返るまでもなく、イニエスタはバルサにとっていまなお重要な戦力であり続けている。
 
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