【日本代表W杯の軌跡】日本を震わす感涙の初勝利|2002年日韓大会・ロシア戦

カテゴリ:日本代表

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年06月02日

国民のほとんどが注目していた勝利が至上命令の一戦。

勝利だけが求められる試合で結果を残した日本。歴史的なワールドカップでの初勝利に日本中が歓喜に包まれた。写真は決勝点の後。 (C) SOCCER DIGEST

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 日本の出陣を前に、これまでワールドカップで残した足跡、つまり日本が戦った14試合を、週刊サッカーダイジェストの当時のレポートで振り返っていく本連載。今回紹介するのは、日本中がワールドカップフィーバーに沸いた2002年大会だ。
 
 当時の興奮を思い出しながら、間もなく地球の裏側で始まる新たな戦いに思いを馳せていただきたい。
 
――◆――◆――
 
 人は誰でも満足した時点でその成長を止めてしまう。常に高みを目指し、より巧く、より速く、より強くなりたい心から願い、全精力を注いで初めて思いは叶う。
 
 ベルギー戦のドローは、ある意味で及第点の出来だった。プレッシャーに屈することなく実力を発揮し、堅守を誇るヨーロッパの伝統国を土壇場まで追いつめた戦いぶりは評価に値する。とはいえ、日本の代表としてピッチに立つ者たちは常に期待のなかにあり、終わりのない試練を課せられる運命を併せ持つ。
 
 ファンは、ワールドカップにおける初勝利を望んでいた。2戦目の相手であるロシアは明らかに格上の敵だが、ここで敗れるようなことがあれば、ノルマに掲げる決勝トーナメント進出の可能性は限りなく小さくなる。
 
 反対に、この試合で勝点3をモノにすれば自信は大きく膨らむ。これまで屈辱的な大敗に終わったフランス戦、ドローのイタリア戦、アウェーで快勝を収めたポーランド戦でつかんできた数々の収穫よりも、はるかに大きな手応えとなることに疑いはなかった。勝敗が全てではないが、勝敗こそが世界における日本サッカーの地位を左右する。そんな意味深い一戦だった。
 
 初戦で勝点を取ったことに満足する時間は過ぎ、ブルーズは再び前進することを余儀なくされていた。
 
 決戦の場となった横浜国際競技場(現・日産スタジアム)の周辺は、青く染まっていた。会場への行列は新横浜駅からつづき、至る所から「ニッポンコール」が聞こえる。20時30分という開始時間を考えれば、国民のほとんどが注目していたという表現も決して大袈裟ではないだろう。
 
 ロシア戦は、世紀の祭典が放つ魅力に誰もが取りつかれているなか、運命のキックオフを迎えた。
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