【セルジオ越後】アジア制覇に王手のレッズ。上海上港戦は代表戦より見応えがあった

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2017年10月20日

マウリシオの加入で強度が増したレッズの守備は安定感があった。

的確なカバーリングや1対1の強さを見せたマウリシオ(2番)は、質の高いフィードでも貢献した。(C)SOCCER DIGEST

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 ACLの準決勝でレッズが上海上港との激戦を制し、決勝進出を果たしたね。アウェーでの第1戦は柏木の同点弾で1-1と引き分けて、ホームで迎えた第2戦はラファエル・シルバが挙げた虎の子の1点を守り切り、トータルスコア2-1で難敵を下した。
 
 上海上港はグループステージでも戦っているだけに、レッズは相手をよく研究できていたと思う。とにかく、オスカールとフッキを封じる。警戒すべきはこのブラジル人で、彼らにボールが入れば、レッズの選手たちは必ずと言っていいほど、ふたりを素早く囲い込み、激しいディフェンスで仕事をさせなかった。
 
 その他の中国人選手たちは、正直、そこまで怖さはなかったし、エウケソンも今ひとつのパフォーマンスだった。上海上港はどこか感情的になっていたようにも見えて、焦りもあったのか、自滅した感じだよね。
 
 オスカールもフッキも、今やセレソンではないわけで、全盛期のキレはなかったよね。そんなふたりに頼り切りの上海上港は、ある意味、戦いやすかったのかもしれない。
 
 もっとも、マウリシオが加入して強度が増したレッズの守備は安定感があり、簡単に隙を与えなかった。フッキの強烈なFKやエウケソンの至近距離からのシュートなど、何度か危ない場面があったけど、GK西川がファインセーブで失点を許さなかった。
 
 攻撃面はセットプレーでゴールを奪った以外にも、カウンターから良い形を作ることができていた。“横綱相撲”ではなかったとはいえ、危なげない勝利だったと思うよ。
 
 ただし、ACLは優勝しないと意味がない大会だ。クラブワールドカップに出られるのは、頂点に立った1チームだけ。準優勝では、レアル・マドリーや本田のいるパチューカとは対戦できない。“10年ぶりの決勝進出”という見出しを目にしたけど、僕が見たいのは10年ぶりの“優勝”だ。
 
 日本勢として久しぶりのアジア制覇に王手をかけたのは評価したいけど、何かを手にしたわけではない。喜ぶのはまだ早すぎるよ。

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