【番記者通信】「現在」と「未来」が交錯したサンプドリア戦|インテル

カテゴリ:メガクラブ

サルバトーレ・リッジョ

2014年04月18日

ミハイロビッチが契約更新を保留しているのは――。

監督人事も絡んで、サンプドリア戦は興味深い一戦に。 (C) Getty Images

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 現在と未来。4月13日のサンプドリア戦は、それが交錯したゲームだった。インテルのベンチに座り、血気盛んでありながら戦術的に用意周到なところを見せているワルテル・マッザーリ監督が「現在」で、サンプドリアの指揮を執るシニシャ・ミハイロビッチが「未来」、そんな見方ができる試合だった。ちなみに、ミハイロビッチはベンチ入り禁止中で、この試合は助監督のサキッチが指揮した。

 マッザーリの去就は不透明だ。ヨーロッパリーグ(EL)の出場権獲得が、エリック・トヒル会長から信任を得る条件だろう。若手を育てながら、ヨーロッパの舞台に返り咲くことを、トヒルは経営ビジョンの中心に置いている。

 マッザーリが失敗した場合、後任の有力候補として取り沙汰されているのが、ミハイロビッチだ。カリスマを備えたセルビア人指揮官は、言わずと知れたインテルのOBだ。彼自身、監督としてアッピアーノ・ジェンティーレ(インテルの練習場)に戻るのが夢だと公言している。野心家で、ボローニャを皮切りに積み重ねた監督キャリアのなかで、戦術面を含め優れた手腕を証明してきた。セルビア代表監督(12年5月から13年11月)も経験したミハイロビッチの次なる目標は、ビッグクラブへのステップアップ。サンプドリアとの契約更新を保留しているのはそのためだ。

 こうした背景があり、事態が大きく動いてもおかしくなかったサンプドリア戦で、インテルは4-0の大勝を収めた。もっとも、スコアほど一方的な内容だったわけではなく、開始21分でのエデルの退場がなければ、あるいは、サミール・ハンダノビッチの再三のスーパーセーブがなければ、結果は逆になった可能性もある。

 33節終了現在、勝点53のインテルはEL圏内の5位。セリエAでは4位と5位にEL出場権が与えられる。とはいえ、6位パルマとは勝点2差で、ミラン、トリノ、ラツィオの3チームが勝点5差で追走する。残り5試合、マッザーリにとって気の抜けない戦いが続く。

【記者】
Salvatore RIGGIO|MESSAGGERO
サルバトーレ・リッジョ/メッサッジェーロ
1983年ミラノ生まれ。データスポーツの編集員を経て、現在は一般紙『メッサッジェーロ』のスポーツ担当としてミラノ地域を受け持つ。インテルのみならずミラン、さらに両チームの下部組織も精力的に取材し、評価を高めている若手記者の筆頭。

【翻訳】
神尾光臣
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