【岩本輝雄のオタクも納得!】大島僚太の“止まるアクション”は一見の価値あり

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2017年08月22日

最近の彼のプレーはちょっと“異質”。

派手さはないけど、一つひとつのプレーは極めてシンプルで、無駄がなく、そして正確だ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ23節]川崎2-1札幌/8月19日/等々力
 
 以前からそのポテンシャルの高さには注目していたけど、改めて、彼のプレーには目を奪われっぱなしだった。
 
 大島僚太。フロンターレの10番を背負う小柄なテクニシャンは、雨中のコンサドーレ戦でも、際立つパフォーマンスを見せていた。誤解を恐れずに言えば、もちろん良い意味で、最近の彼のプレーはちょっと“異質”。今のJリーグでお金を出してでも見る価値のある選手だと思う。
 
 派手さはないけど、一つひとつのプレーは極めてシンプルで、無駄がなく、そして正確だ。非凡なキープ力の持ち主で、ボールを足もとに収めた時、どれだけ相手に寄せられても簡単に奪われないのは、やはりトラップの技術が一級品だからだろう。
 
 パスを受ける際、敵はどこにいて、どういう状況なのか。そのすべてを瞬時に把握して、最良の選択をする。ボールを必ず敵から遠いところに置くし、背後にピタリとつけられていたら、ダイレクトではたく。
 
 その判断は的確で、ミスもほとんどない。テンポの良いパスワークが戦術の根幹にあるフロンターレにおいて、大島の存在は特別なものになっている。
 
 その大島のプレーに、僕が惹かれる理由として挙げたいのが、“止まるアクション”の素晴らしさだ。
 
 サッカーは流動的なスポーツで、常に動きながらプレーをする。でも、大島はどんな状況でも、一瞬、ピタッと止まってボールを捌く。そのほうがプレーの確実性が上がるわけだけど、スペースが限定されていても、素早く自分の間合いにポジションを取れているからこそ、“止まる余裕”ができる。それもすべて、判断力が優れているからだろうね。
 
 守備に関してもかなり成長していると思う。鬼木監督は攻守の切り替えを強調しているようだけど、攻→守になった時、大島もサボらずに守備に参加しているよね。
 
 しかも、運動量に頼って懸命に戻っている感じではなく、いち早く危ない場面に顔を出して、相手のボールホルダーにプレスをかけている。「あれ、いつのまに?」と感心する場面は一度や二度ではなかった。

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