【総体】日ノ本学園の“元気印”が殊勲の決勝ヘッド!「あの3日間を絶対に忘れない」

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年08月04日

田邊監督いわく、「なんというか、ずる賢いプレーのできる子」。

応援団を前に、おどけて見せる澁川。もっとも尊敬する先輩は、主将の牛島(右端)だという。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 どちらに転んでもおかしくない、まさに1点勝負の様相だ。
 
 藤枝順心と日ノ本学園が覇権を争ったインターハイ女子決勝。堅守自慢のチーム同士がしのぎを削った一戦は、後半の半ばに入ってもチャンスらしいチャンスがない、壮絶なメンタルゲームとなっていた。
 
【インターハイ女子決勝PHOTO】日ノ本学園が藤枝順心を下し、2年ぶり5度目の優勝!

 そして後半18分、ついに均衡が破れる。決めたのは日ノ本学園の背番号15、2年生MF澁川鈴菜だ。エースの宮本華乃が右サイド深くに流れてキープし、後ろへ戻す。そのボールをMF伊藤美玖が鋭いクロスで折り返し、中央に走り込んでいた前線のダイナモが飛び出してきたGKより先に頭で合わせ、歓喜をもたらした。
 
 この虎の子の1点が、殊勲の決勝点となる。澁川は満面の笑みを浮かべ、ゴールシーンを振り返った。
 
「クロスが上がったときにフリーだったので、これは入るなと思いました。すごく良いボールを美玖さんがくれたので、決めるだけでした。応援してくれたみんなのおかげです。大会前に応援歌を10曲くらい増やしてくれて、そんなみんなの想いがつまったゴールだった。わたし自身、大会に入ってからアシストばかりだったんで、決勝で絶対に決めるぞと意気込んでたのもあります」
 
 試合前夜のミーティングで、田邊友恵監督は選手たちに発破をかけていた。準決勝までは選手間で「見て、出して」という局面が多く、いつもワンテンポずれていた。そのため指揮官は、「もっと信じて走れ!」と檄を飛ばしたのだ。澁川は「あの言葉を受け止めて、迷わず走り込んだ結果です」と語った。
 
 田邊監督いわく、澁川は「大人しい子が多いなかで、なんというか、ずる賢いプレーのできる子」だという。そして、「そんな彼女だからこういう試合でゴールが決められたんだと思います」と称えた。
 
 その話を本人に向けるとニッコリ笑い、「たとえば理子(牛島)さんは頑張ってポジショニングを取るんですけど、自分はいっかいさぼってみて、相手が離れたらフリーでもらえると考えちゃうんです。だからサボリは多いです(笑)。ただ、ゴールシーンは必死に走りましたよ」と話した。
 
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