【高円宮杯】辛勝スタートのガンバユース。新監督“ノリちゃん”の独特すぎる指導法とは

カテゴリ:高校・ユース・その他

森田将義

2017年04月09日

「喜怒哀楽をもっと出せ」と選手たちに。

昨年はU-23チームを率い、2017年はG大阪ユースの監督を務める實好監督。名門を覇権奪還へと導けるか。写真:森田将義

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 今季、宮本恒靖監督の後任としてガンバ大阪ユースの指揮を託されたのが、實好礼忠監督だ。現役時代はガンバ大阪ひと筋12年で、指導者としてはトップチームのヘッドコーチやU-23の監督を歴任。“ノリちゃん”の愛称で親しまれる氏の下で、2年ぶりのプレミアリーグWESTのタイトルを目ざすシーズンが始まった。
 
 新体制で、まず目を惹くのがチームの雰囲気の良さだ。チームワークをテーマに掲げ、コミュニケーションを重視。選手同士の会話を増やすだけでなく、「面白いひと。練習を盛り上げてくれるのが上手」(MF芝本蓮)、「毎日、気さくで面白し、優しい」(FW松下亮太)と選手たちが口を揃えるように、監督自らが積極的に声をかけ、明るい雰囲気で練習が進んでいく。「選手目線。僕たちの特徴を分かってくれていて、一人ひとりを大事に思ってくれていると感じる」と証言するのはFW白井陽斗だ。練習で上手く行かないと落ち込んでしまう彼に対しては、優しい言葉をかけてくれるという。
 
 ただ、楽しいだけではない。練習では「喜怒哀楽をもっと出せ」と選手たちに指示を飛ばすなど、ミニゲームで1対1の局面を迎えると激しく削り合い、ときには喧嘩するほどの熱さが求められる。新チーム発足直後は大学勢との練習試合で敗れることが多かったが、試合を重ねるうちに確かな手応えを掴み、アビスパ福岡U-18との開幕戦に挑んだ。
 
 ところが、蓋を開けてみれば、「非常に硬かった。ビックリするくらい。パスがずれることが多かったし、サポートも遅かった」と實好監督が語ったように、目ざすサッカーは機能せずじまいだった。
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