【藤田俊哉の目】本田の指定席を奪い取った久保。W杯で勝つべくビッグクラブへ行け

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年03月30日

多くのポジションで競争が生まれ、チーム内の動きは激しさを増している。

右サイドで充実のパフォーマンスを見せた久保。いまやチームに欠かせない攻撃のキーマンだ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 ロシア・ワールドカップのアジア最終予選。3月28日にタイをホームに迎えた日本は、4対0で勝利した。
 
 いつも言っていることだけど、どういう状況でも、国際試合の舞台で4点差をつけて勝利することは簡単ではない。相手はグループリーグ最下位のタイとはいえ、日本の快勝と言っていいだろう。
 
 もっとも、前節のUAE戦に続いて、自らのミスパスからピンチを招くシーンが多かったのはいただけない。川島の活躍がなければ、1、2点は奪われてもおかしくなかっただけに、カウンター対策は今後の課題として残った。
 
 欲を言えば、ホームというアドバンテージがあっただけに、タイに対して“日本強し”の強烈なインパクトをもっと与えたかった。ワンチャンスも与えないくらいにタイを圧倒してほしかったというのが、正直な気持ちだ。
 
 とはいえ、そうしたネガティブな要素を差し引いても、最近の日本は安定したパフォーマンスを見せている。しっかり先制点を奪って、試合を有利に進めることができているのも、その背景にあるだろう。
 
 その先制点を語るうえで欠かせないのは、やはり久保の活躍である。
 
 香川の最終予選初ゴールを見ることができたのも、岡崎の代表通算50ゴールが生まれたのも、彼の正確なキックによるもの。チーム3点目となる左足で放ったミドルも見事だった。前節・UAE戦に続いて、ゴールとアシストで日本に勝利をもたらした久保は、チームにおけるその存在感をさらに高めてみせた。UAE戦を含めて2試合で2ゴール・3アシストと、数字上も文句のない結果を残している。つまり、現在の日本の攻撃は、久保を中心に回っていると言っても過言ではないだろう。
 
 久保が台頭する以前は、原口が攻撃をリードする存在だった。最終予選が始まった頃は本田が絶対的エースだったが、現状は久保がその役割を担い、本田の指定席と思われていた右サイドのポジションを完全に奪っている。
 
 他の選手に目を移しても、宇佐美が重用されていた時期もあった。GKのポジションだって、西川が不動だったと思われていたのが、この2試合の活躍で川島が定位置を奪い返した印象だ。こうして選手の入れ替えだけを見ても、このわずか7か月の間で、チーム内の動きは激しさを増している。
 
 本田が不調でも久保がいて、長谷部がいなくても今野や酒井高がいる。そしてトップの大迫がUAE戦で負傷離脱しても、ベンチには岡崎がスタンバイしている。長谷部欠場というアクシデントによってチーム内に“玉突き”が生まれて、チーム内の競争を加速化させたことは、ハリルホジッチ監督にとっても嬉しい誤算だったはずだよ。
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