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【選手権】なぜ応援するのか、されるのか――。初戦敗退の松山北、後半の反撃を生んだ「廻る力」

カテゴリ:高校・ユース・その他

平野貴也

2017年01月06日

たった2人の3年生がチームを引っ張り、最後まで戦い抜いた松山北。

敵陣で突破を図る松山北のFW串部(12番)。スタンドからひと際大きな声援を受けていた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 たったひとつのチーム以外は、敗戦で物語を終える。全国高校サッカー選手権大会は、都道府県の王者が集う大会ではあるが、レベルや意識には差がある。全国から日本一やプロ入りを狙う選手が集まるチームがあれば、受験対策のために3年生が夏に引退してしまうチームもある。
 
 1月2日に行なわれた2回戦、フクダ電子アリーナでの2試合目に登場した松山北(愛媛)は0-2で遠野(岩手)に敗れたが、たった2人の3年生選手がチームを引っ張り、最後まで戦い抜いた。
 
 MF稲井雄大(3年)は後半に攻撃を牽引。一昨年、同じ会場のスタンドで太鼓を叩いて応援していたFW串部太一(3年)は、最前線でゴールを狙い続けた。試合後、渡部晃久監督は「選手たちを褒めたい。後半、あんなに動けるとは思わなかった。相手よりチャンスを多く作っていた。3年生は彼ら2人だからこそ、ここまで来られた。2人には感謝している」と話した。
 
 勝負の分かれ目は、前半にあった。32分にクロスから失点すると、気落ちしたところでミスから追加点を奪われて苦しくなった。それでも後半は、猛反撃を見せた。敵陣に押し込む度、自慢の大応援団が声援を送った。松山北は、一昨年も熱気のこもった応援を見せていたが、この日は日帰りの弾丸応援にバス11台、250人以上の生徒が駆け付けて、さらに盛大な応援を送っていた。
 
 なかでも、何度も名前を連呼されていたのがFW串部だった。プレーで引っ張っていたのは稲井の方だったが、串部へのエールは止まらなかった。負けた後でもなお、名前をコールされていたほどだ。稲井は「アイツは、1年の時に応援団としてリーダー的な感じで前に出てしゃべって、先輩からもめちゃくちゃ愛されていて、その先輩たちが今回は来てくれていた。怪我をした時期もあったし(トップチームを含めて 5段階に分かれているチームの)全部のカテゴリーを経験しているから、みんなに応援されている」と格別な応援の理由を教えてくれた。
 
 串部は、愛される理由がよく分かるキャラクターだった。自信はあるが、威厳はない。でも、ちょっと頼り甲斐がある。串部は「トップチームに入った時は自分に自信があったけど、あまりうまくいかなくて、スタメンはしんどいなあと思った。見ている時は、『オレの方が上手いわ』と思っていたけど、『あいつら、こんな中でやっとったんか!』と思った。今日も、走れなくなったら1、2年生に『走れや』と怒られて、『おおっ、怖っ!』と思いながらやっていた」と笑った。

【2回戦PHOTOギャラリー】 遠野 2-0 松山北
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