「しっかりここで爪痕を残すことが最優先」
今年9月初旬に浦和レッズを離れ、ベルギー2部のベールスホットへの完全移籍に踏み切った原口元気。6月のFIFAクラブワールドカップの後から徐々に「もう一度、欧州に戻りたい」という思いが強くなっていたという。
「僕にとってクラブワールドカップは非常に大きな舞台でした。久しぶりにリーベルプレートやインテルと戦って、世界のサッカーを肌で感じられる絶好のチャンスだったから。ワールドカップと名のつく世界大会は、自分が一番楽しいと感じる瞬間。出場時間はわずかでしたけど、『早く世界に戻りたい』と感じたのは確かです。
これを機に『移籍する場所があるんだったら、そっちへ行った方がいい』という気持ちも強まった。浦和との契約は1年半だったので、そのタイミングで欧州に戻るのは既定路線でしたけど、半年早くこの決断に至りました」と移籍へと傾いた心情を吐露する。
アントワープに本拠地を置くベールスホットは、かつて鈴木武蔵が在籍したクラブ。近年は1部と2部を行き来しており、2024-25シーズンに1部で16位に終わったことから、今季は2部での戦いを強いられている。
ただ、原口が赴いた直後の9月下旬に、日本の仏壇・仏具会社『金宝堂ホールディングス』がクラブの株式100%を取得。新オーナーになったことから、今後はテコ入れが図られる見通しだ。近い将来にはシント=トロイデンのような「日本人選手の欧州でのゲートウェー」になる可能性もある。原口はその先駆者に指名されたのだ。
「オーナーにもお会いして30分ほど話をしましたが、日本人選手にとっての可能性が広がるのは良いことじゃないかなと感じました。具体的なビジョンは分からないけど、まずは自分がしっかりここで爪痕を残すことが最優先だと思いますね」と本人は自身のタスクを認識して、新たな挑戦に乗り出したのである。
「僕にとってクラブワールドカップは非常に大きな舞台でした。久しぶりにリーベルプレートやインテルと戦って、世界のサッカーを肌で感じられる絶好のチャンスだったから。ワールドカップと名のつく世界大会は、自分が一番楽しいと感じる瞬間。出場時間はわずかでしたけど、『早く世界に戻りたい』と感じたのは確かです。
これを機に『移籍する場所があるんだったら、そっちへ行った方がいい』という気持ちも強まった。浦和との契約は1年半だったので、そのタイミングで欧州に戻るのは既定路線でしたけど、半年早くこの決断に至りました」と移籍へと傾いた心情を吐露する。
アントワープに本拠地を置くベールスホットは、かつて鈴木武蔵が在籍したクラブ。近年は1部と2部を行き来しており、2024-25シーズンに1部で16位に終わったことから、今季は2部での戦いを強いられている。
ただ、原口が赴いた直後の9月下旬に、日本の仏壇・仏具会社『金宝堂ホールディングス』がクラブの株式100%を取得。新オーナーになったことから、今後はテコ入れが図られる見通しだ。近い将来にはシント=トロイデンのような「日本人選手の欧州でのゲートウェー」になる可能性もある。原口はその先駆者に指名されたのだ。
「オーナーにもお会いして30分ほど話をしましたが、日本人選手にとっての可能性が広がるのは良いことじゃないかなと感じました。具体的なビジョンは分からないけど、まずは自分がしっかりここで爪痕を残すことが最優先だと思いますね」と本人は自身のタスクを認識して、新たな挑戦に乗り出したのである。
とはいえ、新天地の環境は、原口が経験したことがないほど劣悪なようだ。浦和を皮切りに、ヘルタ・ベルリン、デュッセルドルフ、ハノーファー、ウニオン・ベルリン、シュツットガルトというトップクラブを渡り歩いてきた彼が、欧州5大リーグ以外の2部リーグに身を投じたのは初めて。クラブ規模もベールスホットが一番小さいのだ。
「3台のミニバスに分譲して、選手の1人が運転して10~15分かけて練習場に行くんですけど、ピッチはグチャグチャで、練習着も長ズボン1個しかないから、2部練の時は寒い日の午後でも半ズボンでやらなきゃいけない感じです(苦笑)。
シャワーはもちろん、トイレもないから、練習後はビショビショで臭い練習着のまま戻るしかない。それなのに、クラブハウスのカギが閉まっていて中に入れないこともあって、ホントにアクシデントは日常茶飯事ですね。
アウェーに行っても、スタジアムが狭かったり、水しか出ないようなロッカールームも結構ある。移動してその場で着替えて、すぐ試合みたいなケースもありましたけど、20代の頃の自分がこだわっていた練習前の準備とかは一切できないです。
そういうことを考えすぎたら、ここでは絶対にやれない。以前なら、ものすごくストレスを感じただろうけど、今の僕は『いろいろ経験してきて、1周回って、今だから受け入れられる』という感覚ですよね」と原口は達観した様子で言う。
「3台のミニバスに分譲して、選手の1人が運転して10~15分かけて練習場に行くんですけど、ピッチはグチャグチャで、練習着も長ズボン1個しかないから、2部練の時は寒い日の午後でも半ズボンでやらなきゃいけない感じです(苦笑)。
シャワーはもちろん、トイレもないから、練習後はビショビショで臭い練習着のまま戻るしかない。それなのに、クラブハウスのカギが閉まっていて中に入れないこともあって、ホントにアクシデントは日常茶飯事ですね。
アウェーに行っても、スタジアムが狭かったり、水しか出ないようなロッカールームも結構ある。移動してその場で着替えて、すぐ試合みたいなケースもありましたけど、20代の頃の自分がこだわっていた練習前の準備とかは一切できないです。
そういうことを考えすぎたら、ここでは絶対にやれない。以前なら、ものすごくストレスを感じただろうけど、今の僕は『いろいろ経験してきて、1周回って、今だから受け入れられる』という感覚ですよね」と原口は達観した様子で言う。




















定価:980円(税込)
定価:980円(税込)
定価:1100円(税込)