• トップ
  • ニュース一覧
  • ボランチでやりがい。過酷な環境も「1周回って受け入れられる」充実感を覚えるベールスホットでの日々【原口元気 独占インタビュー②】

ボランチでやりがい。過酷な環境も「1周回って受け入れられる」充実感を覚えるベールスホットでの日々【原口元気 独占インタビュー②】

カテゴリ:海外日本人

元川悦子

2025年12月19日

「しっかりここで爪痕を残すことが最優先」

現在はベルギー2部ベールスホットでプレーする原口。過酷な環境でも充実の日々を送る。写真提供:udnsports

画像を見る

 今年9月初旬に浦和レッズを離れ、ベルギー2部のベールスホットへの完全移籍に踏み切った原口元気。6月のFIFAクラブワールドカップの後から徐々に「もう一度、欧州に戻りたい」という思いが強くなっていたという。

「僕にとってクラブワールドカップは非常に大きな舞台でした。久しぶりにリーベルプレートやインテルと戦って、世界のサッカーを肌で感じられる絶好のチャンスだったから。ワールドカップと名のつく世界大会は、自分が一番楽しいと感じる瞬間。出場時間はわずかでしたけど、『早く世界に戻りたい』と感じたのは確かです。

 これを機に『移籍する場所があるんだったら、そっちへ行った方がいい』という気持ちも強まった。浦和との契約は1年半だったので、そのタイミングで欧州に戻るのは既定路線でしたけど、半年早くこの決断に至りました」と移籍へと傾いた心情を吐露する。

 アントワープに本拠地を置くベールスホットは、かつて鈴木武蔵が在籍したクラブ。近年は1部と2部を行き来しており、2024-25シーズンに1部で16位に終わったことから、今季は2部での戦いを強いられている。

 ただ、原口が赴いた直後の9月下旬に、日本の仏壇・仏具会社『金宝堂ホールディングス』がクラブの株式100%を取得。新オーナーになったことから、今後はテコ入れが図られる見通しだ。近い将来にはシント=トロイデンのような「日本人選手の欧州でのゲートウェー」になる可能性もある。原口はその先駆者に指名されたのだ。

「オーナーにもお会いして30分ほど話をしましたが、日本人選手にとっての可能性が広がるのは良いことじゃないかなと感じました。具体的なビジョンは分からないけど、まずは自分がしっかりここで爪痕を残すことが最優先だと思いますね」と本人は自身のタスクを認識して、新たな挑戦に乗り出したのである。
 
 とはいえ、新天地の環境は、原口が経験したことがないほど劣悪なようだ。浦和を皮切りに、ヘルタ・ベルリン、デュッセルドルフ、ハノーファー、ウニオン・ベルリン、シュツットガルトというトップクラブを渡り歩いてきた彼が、欧州5大リーグ以外の2部リーグに身を投じたのは初めて。クラブ規模もベールスホットが一番小さいのだ。

「3台のミニバスに分譲して、選手の1人が運転して10~15分かけて練習場に行くんですけど、ピッチはグチャグチャで、練習着も長ズボン1個しかないから、2部練の時は寒い日の午後でも半ズボンでやらなきゃいけない感じです(苦笑)。

 シャワーはもちろん、トイレもないから、練習後はビショビショで臭い練習着のまま戻るしかない。それなのに、クラブハウスのカギが閉まっていて中に入れないこともあって、ホントにアクシデントは日常茶飯事ですね。

 アウェーに行っても、スタジアムが狭かったり、水しか出ないようなロッカールームも結構ある。移動してその場で着替えて、すぐ試合みたいなケースもありましたけど、20代の頃の自分がこだわっていた練習前の準備とかは一切できないです。

 そういうことを考えすぎたら、ここでは絶対にやれない。以前なら、ものすごくストレスを感じただろうけど、今の僕は『いろいろ経験してきて、1周回って、今だから受け入れられる』という感覚ですよね」と原口は達観した様子で言う。
 
【関連記事】
「“違い”を作れなかった。言い訳できない」やり切ったからこその諦念。そして古巣への思い「“面白い浦和”が見られるんじゃないか」【原口元気 独占インタビュー①】
「涙がとまらない」「このまま終わる男じゃないだろ」離脱決意の原口元気の“魂溢れるメッセージ”に反響続々「大きなことを口にするのもきっと…」【浦和】
「可愛さの破壊力すげぇ」「セクシー」岩渕真奈が眩いビキニ姿を披露! 熊谷紗希と…
「元気がないと感じた」「監督どうこうよりも…」興梠慎三が古巣の浦和に檄! 恩師ミシャのJ復帰噂にも言及「すごくいいところに目をつけた」
【画像】長澤まさみ、広瀬すず、今田美桜らを抑えての1位は? サカダイ選手名鑑で集計!「Jリーガーが好きな女性タレントランキング」TOP20を一挙紹介

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2026年1月号
    12月12日(金)発売
    [特集]
    9年ぶりのJリーグ制覇
    鹿島アントラーズ
    鬼木体制で果たした「王座への帰還」
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2026年1月1日号
    12月18日(木)発売
    [特集]
    2026北中米ワールドカップ
    選手名鑑&出場国ガイド
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 第104回大会 選手名鑑
    12月10日発売
    高校サッカーダイジェストVol.43
    第104回全国高校サッカー選手権大会
    選手権名鑑
    出場48チーム
    1440選手の顔写真&プロフィールを徹底網羅!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ