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セレソン攻撃陣から次々とボール奪取。CBにコンバートからわずか1年で飛躍を遂げた鈴木淳之介の成長の背景「毎試合、良くなれるように」

カテゴリ:日本代表

岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

2025年10月15日

ブレないメンタルとハングリー精神

ブラジル戦で出色の出来を見せた鈴木。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 鈴木淳之介。その名が一気に知れ渡った。

 日本代表は10月14日、国際親善試合でブラジル代表と東京スタジアム(味スタ)で対戦。これまで一度も勝ったことがないブラジルに、前半だけで2点を奪われたが、後半に南野拓実、中村敬斗、上田綺世がゴールを決め、逆転に成功。終盤は相手の猛攻を跳ね返し、3-2で勝利した。

 歴史的な白星にフル出場で貢献し、注目を集めたのが、3バックの左ストッパーで先発したコペンハーゲンの鈴木だ。代表キャップ3試合目の22歳は、臆することなくセレソンの強烈なアタッカーたちと渡り合い、次々とボールを奪取。とりわけ75分に途中出場した18歳の神童エステバンを完封した守備対応は圧巻だった。

 攻撃面でも得意のパスと持ち運びで存在感を発揮。目覚ましい出来を見せた鈴木に対し、チームメイトやファン・サポーターから多くの賛辞が送られていた。

 評価を高めたDFは、つい1年前まではインサイドハーフやアンカーでプレーする中盤の選手だった。高卒プロ3年目の2024年夏に、当時所属していた湘南ベルマーレの山口智監督によってCBへコンバートされ、そこからDFとしての守備を学び始めたわけだが、鈴木はなぜ不慣れなポジションでも急激な進歩を遂げられたのか。背景には、ブレないメンタルとハングリー精神がある。
 
 湘南時代を振り返ってみる。

 鈴木は試合に勝った後も、負けた後も、あまり感情を表に出さないタイプだ。試合後に飛び出す言葉は、いつも自分に矢印が向いたもので、「ここは良かった」「ここはダメだった」と簡潔に語る。常に頭の中を整理できているからこそ、試合で出た課題と、勝敗に関わらず自らの良かったところを分析し、心の状態に左右されることなく、次につなげられるのだろう。

 加えて、どんな些細なものでも向上につなげようとする貪欲さがある。常に現状に満足しない姿勢は「どんなに良いプレーをしても、ずっと同じなら、それが普通になってしまう。僕は常に良いプレーをしたいので、毎試合、良くなれるように模索しています」という言葉からも読み取れる。

 こうしたスタンスが、成長の原動力になったと言えるのではないだろうか。

 湘南で思うように出番を得られない時期、鈴木には自信が不足していたように見えた。実戦経験が乏しかったため、当然かもしれないが、確かな技術、180センチのサイズ、標準以上のスピードや跳躍力を持ちながら、それらについて話を訊いても「そうですかね...ちょっと分からないです」と謙遜するばかりだった。

 だが、CBへのコンバート後は出場機会が増えたことで、自らを高めるサイクルが加速。経験を積み、プロの舞台で十分に通用する手応えを得たのだろう。改めて鈴木に自身の能力について質問すると、以前とは違う答えが返ってきた。

「地上戦では誰であろうと負けない、というのは最近、出せているのかなと。あと僕はけっこう跳べるので。空中戦も、そんなに負けることはないと思う」

 自信満々に語る姿は、以前と見違えるようだった。J1の実力あるアタッカーとの対戦で得た手応えを糧とし、著しく成長した。コンバートからわずか1年でA代表初招集や欧州移籍を果たしたのもうなずける。

 ブラジル撃破も新たな自信となったはずだ。再び大きな成功体験を得た鈴木が、今後どんなキャリアを歩むのか。楽しみだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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