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【リオ五輪】ハッタリではない「全勝金メダル」宣言。人を“本気”にさせる手倉森誠という男

カテゴリ:日本代表

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2016年08月04日

闘将か? 智将か? それともモチベーターなのか?

常にポジティブなスタンスでチームを指揮。その前向きな言動と自らの名前をもじり、仙台時代には“ポジテグ”との愛称で呼ばれたことも。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 手倉森誠という監督を端的に言い表わすなら、どんな言葉が相応しいだろうか――。
 
 闘将。常に戦う姿勢は見せているが、ひとつの側面を捉えているに過ぎない。
 
 智将。緻密な戦略家であるのは間違いない。ただ、お得意の“ダジャレ”のイメージが先行して、どうもしっくりこない。
 
 モチベーター。選手を奮い立たせる言葉は豊富だ。これが最も当てはまるだろうか。
 
 思案した挙句、助けを求めることにした。手倉森のベガルタでのコーチ時代からを知る同クラブのあるスタッフに聞いてみた。
 
 もっとも、そのスタッフは長い時間を手倉森とともに過ごし、有り余る魅力を知り尽くしているからこそ、「どれもピンと来ないんですよね」と、すぐに一言で表現することに難儀していた。
 
 それでも、思い出を一つひとつ紐解き、ある時にかけられたフレーズと当時の自身の心情が蘇ると、最適解を見つけた感触があったという。
 
 2011年の春。東日本大震災が起こり、被災地クラブとなったベガルタは、活動再開に向け、千葉県でキャンプを張っていた。
 
 当時は広報としてチームに帯同していたそのスタッフは、トレーニングできる環境を与えてもらったことに感謝しつつ、いつもとは勝手が違うなかで悪戦苦闘しながらも、しかし仕事に集中し切れずにいた。
 
 宮城県石巻市出身の彼は、仙台から遠く離れ、すぐには地元に戻ることができない距離にいることで、“地元を離れてしまっていいのか”と自問自答を繰り返していた。復興に向けて、自分の家族や故郷の人たちは大変な思いをしている。いくら仕事とはいえ、自分は千葉にいていいのか。やるべきことを残してきてしまったのではないか。
 
 引き裂かれそうな気持ちをなんとか抑え込み、ひとまずはベガルタでの仕事をこなしていく。
 
 そんな葛藤に苦しむスタッフの姿を、手倉森が見逃すだろうか。
 
「どういう意図で言ったのかは、直接聞いてないから知りませんけど。誠さんも覚えていないでしょうし」
 
 そう振り返る彼は、しかし、手倉森にかけられた言葉で一気に仕事に集中できるようになった。一切の迷いなく、ベガルタのために全力を注ぐことができるようになったという。
 
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