1対1の強さも大事だが、連係の向上はチームの強さに繋がる。
フットボールは運動競技である。その点から、基本として身体的能力が差をつける場面はあるだろう。速さ、強さの鍛錬なくして、技術の上達も見込めない。しかし、身体的な特長に頼り切ったプレーでは、トップレベルで通用しない。
フットボールは、インテリジェンス=駆け引きが原点にある。
個人対個人の場面に見えても、実際は集団対集団であり、周りを使って自らが輝き、自らが周りを輝かせる、という競技である。
例えばSBを語る時、「ボランチやサイドハーフ、CBと連係して守るのが上手い」という評価がある。1対1での責任感や戦闘力は必要だが、周りとの連係が上がるほど、それはチームの強さとなり、個人も勝利者となるのだ。
では、いかにしてその集団性は作られるのか?
選手の特性というものは、ある程度、決まっている。チェスは駒が移動範囲や方向が決まっていて、例えばルークは縦横にはいくらでも動けても斜めには移動できない。同じようにフットボーラーにも特性があり、自ずとやれることと役割は限られており、駒の組み合わせのなかで勝負をする。
しかし、フットボールとチェスには、根本的な相違点がある。
フットボールの場合、自分たちがボールを持つ、というのが、理論上の最大の強みとなる。チェスのボードで動くのは駒だが、ピッチで動くべきは人ではない。動くべきは、ボールなのである。
巧みに正確にテンポを変えながらボールを動かせるか。それによって相手を疲弊させ、自分たちが先手を取り、有利なかたちを作ることができるのだ。
「ボールは汗をかかない」
伝説のヨハン・クライフが残した言葉は、単なる理想論ではない。
言い換えれば、どのポジションにいても、プレーを有効にする「タイミング」を知っている選手が求められる。どんな速さも、強さも、適切なタイミングには及ばない。タイミングはチーム力を生み出す。
その点、アンドレス・イニエスタ、セルヒオ・ブスケッツ(以上バルセロナ)、ルカ・モドリッチ、カリム・ベンゼマ(以上レアル・マドリー)の4人は、「世界で最もタイミングを知り尽くした選手」と言えるだろう。
それぞれポジションは違うが、彼らはフットボールを「クリエイティブ」する。常に自分たちのタイミングでプレーし、よしんば封じられたとしても、ちょっとした動きで相手のバランスを崩し、再びプレーを創り出せる。
彼らは時計を動かしているようなもので、同時に空間もその手中にある。こうした選手を揃え、鍛えることで、クライフのドリームチームやジョゼップ・グアルディオラの最強バルサは誕生した。
フットボールは、インテリジェンス=駆け引きが原点にある。
個人対個人の場面に見えても、実際は集団対集団であり、周りを使って自らが輝き、自らが周りを輝かせる、という競技である。
例えばSBを語る時、「ボランチやサイドハーフ、CBと連係して守るのが上手い」という評価がある。1対1での責任感や戦闘力は必要だが、周りとの連係が上がるほど、それはチームの強さとなり、個人も勝利者となるのだ。
では、いかにしてその集団性は作られるのか?
選手の特性というものは、ある程度、決まっている。チェスは駒が移動範囲や方向が決まっていて、例えばルークは縦横にはいくらでも動けても斜めには移動できない。同じようにフットボーラーにも特性があり、自ずとやれることと役割は限られており、駒の組み合わせのなかで勝負をする。
しかし、フットボールとチェスには、根本的な相違点がある。
フットボールの場合、自分たちがボールを持つ、というのが、理論上の最大の強みとなる。チェスのボードで動くのは駒だが、ピッチで動くべきは人ではない。動くべきは、ボールなのである。
巧みに正確にテンポを変えながらボールを動かせるか。それによって相手を疲弊させ、自分たちが先手を取り、有利なかたちを作ることができるのだ。
「ボールは汗をかかない」
伝説のヨハン・クライフが残した言葉は、単なる理想論ではない。
言い換えれば、どのポジションにいても、プレーを有効にする「タイミング」を知っている選手が求められる。どんな速さも、強さも、適切なタイミングには及ばない。タイミングはチーム力を生み出す。
その点、アンドレス・イニエスタ、セルヒオ・ブスケッツ(以上バルセロナ)、ルカ・モドリッチ、カリム・ベンゼマ(以上レアル・マドリー)の4人は、「世界で最もタイミングを知り尽くした選手」と言えるだろう。
それぞれポジションは違うが、彼らはフットボールを「クリエイティブ」する。常に自分たちのタイミングでプレーし、よしんば封じられたとしても、ちょっとした動きで相手のバランスを崩し、再びプレーを創り出せる。
彼らは時計を動かしているようなもので、同時に空間もその手中にある。こうした選手を揃え、鍛えることで、クライフのドリームチームやジョゼップ・グアルディオラの最強バルサは誕生した。